知事のレガシー発言で東海財務局招致 静岡県議会総務委員会

川勝知事が突如施設整備の方針を発したいわゆる東アジア文化都市のレガシー構想をめぐり、静岡県議会の総務委員会に東海財務局の職員が招致されました。

川勝知事 県庁 10月12日)
「三島を拠点にして、富士山、それから伊豆半島両方に出入り口ができるので、そこに東アジア文化都市の発展的継承センターのようなものを置いて、今土地を物色していると。実際は国の土地を譲っていただこうということで今、詰めの段階に入っておりますけど」

 10月、経済界との懇談会で三島市に東アジア文化都市の“レガシー”を置きたいと発言した川勝知事。

 この発言に県議会最大会派の自民改革会議は「議会に事前に相談がなく議会を軽視している」として発言の翌日、県議会最終日に川勝知事を追求しました。

川勝知事 10月13日 県議会最終日)
「この発言は東アジア文化都市の取り組みを一過性に終わらせることがないよう、そのレガシー創出に向けた私の思いを語ったもの。しかしまだ一つのアイデアにすぎません。何も決まっていないのが現状」

 これだけで事態は収拾せず、議会の会期が終わった後に行われる閉会中審査が開かれる事態にまで発展。

文化観光委員会 自民 杉山盛雄委員 10月23日
「自分が勝手にベラベラベラベラ、県議会議員も誰一人も知らない。部も知らない。これが詰めの段階に入っていると発言したことが大きな問題」

 川勝知事に近い会派からも…。

文化観光委員会 ふじのくに 四本康久委員 10月23日
「失言とまではいかないが、誤解を招く発言だと思う」

 さらに、この2日後に行われた委員会では、県の幹部が本音を漏らす事態に・・・

総務委員会 自民 赤堀慎吾委員 10月25日)
「知事の発言を聞いた時はどう思いましたか?」

京極仁志 経営管理部長 10月25日)
「はい、正直なところ、ちょっと驚きました」

自民改革会議 杉山盛雄委員

 県と、土地の所有者である財務省東海財務局が打ち合わせをした際の資料によると、知事が「土地を物色している」と話した通り、過去3回にわたって候補地の土地を管理する国側と県が打ち合わせしていたことが分かります。

 ただ3回目に打ち合わせをした9月の資料でも、県側は方針を示しておらず、東海財務局が困惑している様子がうかがえます。

東海財務局側 9月の打ち合わせ
「従前からお伝えしているように、県が方針を決定してくれないと我々は動けない。
方針を示してもらえれば、県の意向を踏まえて検討することは可能。」

 実際は「詰めの段階」とは言えない状況だったと見られる今回の騒動。

きょうの委員会では・・・

財務省東海財務局の資料

「東アジア文化都市のレガシー拠点拠点として定期借地でもって県はいま詰めの段階まで来ているというような趣旨の発言をしている。やりとりをあらわす表現として正しいものと感じておりますでしょうか。」

「静岡県内部でご検討いただいているところということでございまして、そこの方向性が見えた段階で、別途ご相談いただけるものと伺っている。」

野口東海財務局管財部次長
「静岡県側の検討の詳細につきましては、当局では伺っておりません。また、県知事のご発言に対する受けとめに関しては、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。」
「そういった県内部での議論というのは、県内部で議論し尽くし尽くすという表現がちょっと適切かどうかわかりませんが、県の事務方、それからもちろん県の指導者の方、それから県議会も含めて県内部でそこの交通整理をしていただきながら当局と御相談していただきたい。」

野口東海財務局管財部次長