資金パーティー券をめぐる裏金問題 自民党・安倍派県内議員は…そして、有権者は

自民党・安倍派の政治資金パーティーで収支報告書に記載のないキックバックがあったとみられる問題でこの週末、県内議員が相次いで取材に応じました。

衆院比例東海(静岡8区)“安倍派”塩谷立座長(10日・浜松市中区):
「資金パーティーの件については、国民の皆様方に大変な政治不信を招いたこと、心からお詫びを申し上げる次第でございます」

 「政治とカネ」をめぐり、また永田町が揺れています。

 安倍晋三元総理の派閥“安倍派”の「政治資金パーティー」をめぐる裏金問題。

 派閥の「まとめ役」である“座長”を務め、衆院静岡8区を選挙区とする、塩谷立衆院議員がきのう、浜松市内の事務所前で、報道陣の取材に応じました。

Q:11月の終わりに、一度撤回はしているが、キックバックに関連して「あったと思う」としていたが?

衆院比例東海(静岡8区)“安倍派”塩谷立座長
「あれはいろんな質問の中で、そういうような状況があったのかなと思っているが、事実関係を把握していないので、後ほど撤回をした。今現在、捜査が進んでいると聞いているが、具体的な事実関係をしっかり把握するなかで今後、適切に対応してまいりたい」

「適切に対応する」

 「事実関係の把握」や「適切に対応する」などと、記者に説明した塩谷座長。

 このフレーズは、安倍派の他の“幹部”からも…

安倍派・西村康稔経産大臣(茨城県・10日)
「清和会の政治資金については、事実関係について慎重に精査が行われていると聞いておりますので、それを踏まえて清和会の方で適切に対応されると考えておりますし、説明がされるものと考えています」

 視察のため、10日福島県や茨城県を訪れた西村大臣。

 視察の際には、説明に大きくうなずくなど、しっかり会話をしていましたが、その後、取材では「事実関係を精査」「適切に対応」などと、浜松で取材に応じた塩谷座長と、似たコメントを出しました。

 偶然にしては、あまりにも一致する言葉が多いように思えます。

安倍派・西村康稔経産大臣

政務三役についても

記者
「茂木幹事長です。茂木幹事長を乗せた車が今、総理公邸から出てきました。」

 10日自民党の茂木幹事長らと相次いで面会した岸田総理大臣。

 自民党関係者によると、松野官房長官ら官僚に加え、政務三役についても、安倍派全員を更迭する方針について説明したということです。

茂木幹事長・10日

宮澤防衛副大臣も

 そのうちの1人。

 静岡3区を選挙区とし、現在、防衛副大臣を務めるのが宮澤博行衆院議員です。

 実は宮澤副大臣、おととい私設秘書が、磐田市内で軽乗用車を運転中に72歳の男性をはね、重傷を負わせたとして、現行犯逮捕されていました。

衆院比例東海(静岡3区)“安倍派”宮澤博行衆院議員(10日・磐田市):
「被害者の方および家族の皆さまに、お詫びとお見舞いを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」

 事故の謝罪で、記者の前に姿を現した宮澤副大臣。

 すると記者から、“こんな”質問が…

Q:宮沢さんにパーティー券問題はない?

衆院比例東海(静岡3区)“安倍派”宮澤博行衆院議員:
「今、その精査中でございます。精査中でございます。かなりの事務量を要すると担当者から聞きました。そんなに長くかかるわけではないと推測しておりますけれども、今、事務所におけるパーティー券のあり方については精査中、
さかのぼって精査をしているところでございます。」

 これまで、塩谷座長ら安倍派の幹部たちは多くを語っていない“パー券問題”。

 ところが、宮澤副大臣は・・・

Q:自身に記憶は?

衆院比例東海(静岡3区)“安倍派”宮澤博行衆院議員:
「そもそもノルマがきついノルマでしたので、そのノルマを達成することで、非常に苦労をしておりました。ただ、だからと言って、「まったくございません」と言って、仮に1枚、2枚でも、超えた年があったら、それはよろしいことではありません」

Q:1枚、2枚あったという記憶は?

「いや、それも過去のことなので、よく覚えておりません。ですから、あやふやのことを申し上げるよりも、しっかりと調査をして派閥のほうの情報ともすり合わせたうえで、表に出すと言うことが必要だと考えております。」

Q:宮沢議員のノルマは?

「それが、覚えてないんですよ。枚数、覚えていないです」

Q:記憶にない?

「ないです。コロナで変化したということは記憶にありますけども、何枚だったのか覚えてないです。変化したがゆえに、余計に覚えてないです。」

Q:ノルマ達成が厳しかったのはなぜ?

「大変申し上げにくい質問ですけど、やはりそれは、東京における資金力ですね。はい、そこでございます。資金力と言うか、集金力といいますか。しっかり、業界の皆さんや、いろんな支援者の皆さんを、東京でつくって、物心両面で応援していただく力が欠けていたということでございます。ですから、これについては、自己評価を下げることになりますので、あまり言いたくはないところではありますけど。それが現実でございます。」

Q:なかったとは断言しない?

「そうですね、そうせざるを得ません。」

Q:ノルマがきついから派閥を抜けるつもりは?

「そういう検討は、現時点において、まったくしておりません。」

Q:キックバックはいいこと、悪いこと?
「いい悪いというよりも、どうなんでしょうか、私としては、これは。ノルマを達成するので精一杯だったということしか現時点においては言いようがないですね。」

宮澤博行衆院議員 10日・磐田市

有権者は

 パーティー券をめぐる裏金問題について、街の人は…。

ON 藤枝市民10代
「不透明感があるし、信頼するのは難しい。」

ON 静岡市民80代 
「ちゃんとやるのが当たり前。国民に示しがつかない」

ON 静岡市民40代 
「(父がテレビを見て)国民の税金を無駄につかっていることに対してすごい怒っていた。反省しているのか反省していないのかわからない。」

ON 熱海市民30代 
「いままでの世の中の仕組みの一部みたいなところで、私たちが知らなかっただけなのかなという感じではありつつ、慣習てきにやってきたのかというのは感じた。」

 政府高官によると、岸田総理は、安倍派の一掃に向けた後任人事の調整を急いでいて、13日の国会閉会以降、今週末にかけて行う予定だということです。

静岡市