「派閥からの指示」に口止めも…宮澤氏の激白に 同期の金子恵美氏「永田町と国民の感覚に乖離」

YouTube Video 「派閥からの指示」に口止めも…宮澤氏の激白に 同期の金子恵美氏「永田町と国民の感覚に乖離」
動画を再生

 自民党安倍派のパーティー券問題で、派閥から「収支報告書に記載しない」よう指示があったことや問題発覚後にかん口令が敷かれたことを告白した宮澤博行前防衛副大臣。宮澤議員の同期で、「とびっきり しずおか」コメンテーターの金子恵美元衆院議員に、宮澤議員の告白について聞きました。
 

「事態の重大さを分かっているのか」

須藤アナ:宮澤議員は裏金疑惑の激白には「悔いがない」としながらも、防衛副大臣の辞任については、涙を流して心境を口にしました、金子さんはどうご覧になりましたか

金子さん:まず医師会の会合での『幸か不幸か』という言葉選びからして、事態の重大さを分かっているのか、会場の方がどう受け止めたか、と思いました。宮澤さんは同期ですが、派閥の人たちとの足並みをそろえようという気持ちがあった、といいながらも、結局今回のような行動をとったのは、同期の中でも一匹狼であった宮澤議員らしいとも思いました。ただ、防衛や安全保障政策にかける思いや、副大臣辞任への未練は正直なところだと思いました。

「派閥からの指示」に口止めも…宮澤氏の激白に 同期の金子恵美氏「永田町と国民の感覚に乖離」

永田町と国民の感覚に乖離(かいり)

金子さん:また、派閥から「しゃべるな。しゃべるな」と言われたというのも、想像できるところではあります。安倍派は大所帯なので、全体を取りまとめるのに苦労しそうですし、一方で崩れ始めると他の派閥と比べると脆いものだとも感じます。

 派閥から「書くな」「記載しなくていい」と、言われたというのは、私も安倍派の他の議員から聞いてはいるんですけど、(派閥の)ルールとしてやっていたので、ムラ社会の意識でやっていたのかもしれないですが、国民の皆さんからすれば、『指示によるものだったとしても違法性があることをやっていた』ということに対してはどうなんだというのが、一般的な感覚だと思う。そこが永田町の中で仕事をしている人と一般の皆さんとの感覚の乖離(かいり)だということを、宮澤さんは認識された方がいいと思いましたね。

「派閥からの指示」に口止めも…宮澤氏の激白に 同期の金子恵美氏「永田町と国民の感覚に乖離」

宮澤さんが何度も使った「身の潔白」とは

伊地アナ:宮澤さんは「身の潔白」という言葉を何度も使っていましたけれども、そこに違和感が。

金子さん:使途がどうだったかというのは一つの問題点だとは思うが、ここで一番の問題はルールを守っていなかったということ。「不記載でよいと指示があった、この悪しき慣習をやらされてきた」というのが問題なんです。彼は「自分は被害者だ、だから副大臣としてもっと仕事をしたかった」という気持ちを訴えても、有権者には理解はしてもらえないでしょう。

検察の捜査への影響は

伊地アナ:宮澤さんは「不記載は派閥からの指示だった」と、今回の件で「しゃべるな、しゃべるな」とかん口令が敷かれたことを明らかにしています。宮澤さんの告白は『組織的行為』を意味するのか、そうなれば、検察の捜査を加速させる要素を持っているのか。もう一つ宮澤さんの立場ですが、地元関係者からは「ふざけるな」という気持ちという声もある。相談がなかったと。

金子さん:法律上は会計責任者が悪いということになってしまうんですけど、それを明確に指示した証拠が出てくるかが焦点となります。それがでてくると、議員への責任追及に発展します。「しゃべるな、しゃべるな」と言ったとありましたが、私の経験からも派閥や党から言われたことがあるので、それは事実なのではないかと思います。自分で説明をしたいけど、上から言われて、これはムラ社会、上意下達で言えない、ということはあったんだろうなと思う。

 副大臣になったのも安倍派の推薦があってのことだし、これまでも派閥の中でやってきたからできたこともあったはずなのに、今回こうしたスタンドプレーのようになったのは、ご本人は次の選挙を安倍派でやっていこうとは思っていない、次の選挙は安倍派という言葉が出ると不利に働くと考えての行動だと思う。

「派閥からの指示」に口止めも…宮澤氏の激白に 同期の金子恵美氏「永田町と国民の感覚に乖離」

二階派も…

伊地アナ:二階派にも週明けに強制捜査があるという情報です。パーティー収入を実際より少なく収支報告書に記載していた疑いがあるということです。

金子さん:二階派に関しては議員側は問題ないのかな、と思う。二階派全体、派閥としての収入が記載されていなかったということは問題があると思う。

伊地アナ:金子さんはかつて二階派でしたが、パーティー券を売るとか、は。

金子さん:かなり厳しくノルマは課せられていました。オーバーした人は還付という形で返ってきていたが、私は売り切れなかったので、自分でかぶった。

「安倍派の会計処理がここまでずさんだとは…」

伊地アナ:安倍派のことを聞いて、こういうこともあるんだなと。

金子さん:私は正直、安倍派の会計処理がここまでずさんにやってるとは思わなかった。これまでの慣習で、なんとなくみんながやっていたから、これでいいと思ってやってきたかもしれませんが、大いに問題があると思います。