【リニア】有識者会議巡り国と川勝知事に認識の違い 「公正中立が極めて重要」…川勝知事が挙げた8人の名前 静岡
静岡県 川勝平太知事(14日):「今回、この件について局長のほうから全部終わったと言われたということでございますが、それは正確ではありません」
14日、川勝知事がこう反論したのは、リニア中央新幹線の工事に関する国と静岡県との“認識”についてです。7日、国交省の村田茂樹鉄道局長が知事のもとを訪れた際…。
国交省 村田茂樹鉄道局長(7日):「前の水資源の問題、環境保全の両分野について総合的な視点で継続的に確認する新たな体制を準備している」
新たな有識者会議の守備範囲は…
さらに、13日、国交大臣は。
斉藤鉄夫国交大臣(13日):「JR東海が、静岡工区における水資源と環境保全の両分野について行う対策の状況を、継続的にモニタリングするための新たな有識者会議を開催したいと考えていて、委員の選定など調整を速やかに進めてまいります」
国側は「水資源」と「環境保全」の両分野におけるJR東海の対策状況を確認するための国の有識者会議を立ち上げることを示しました。これについて川勝知事は…。
静岡県 川勝平太知事(7日):「私は高く評価しています。さすが鉄道局、ついに本格的に乗り出したなと」
Q.少しは進展する?
A.「これは進展させないといけないでしょう。国家的事業だと国交省も関与していると、村田局長がビシっと言われた」
ただ、注目の「新たな有識者会議」をめぐっては、国と川勝知事との間で認識の違いがあるようです。国はあくまでJR東海が行う静岡工区での水資源や生態系の保全対策がしっかり実施されているかをチェックするための有識者会議という認識ですが、川勝知事は…。
静岡県 川勝平太知事(14日):「生態系の、いわゆる順応的管理と言ったり、水の流量が失われるか、これの管理をすごく大切ですね。これも必要でしょうけれども、それはリニア新幹線全体のルートに関わることなので、議論はそこにとどまらないだろうと思っております」
川勝知事は「事業全体についても議論が広がる」との認識を示しているのです。有識者会議といえば川勝知事は過去にこんな発言も…。
静岡県 川勝平太知事(2021年):「JR東海と有識者会議と(国交省)鉄道局、三位一体。腐臭が放っている」
今から3年前、水資源に関する有識者会議を国が立ち上げる際、その人選をめぐって厳しい口調で批判していました。今回も川勝知事は有識者会議のメンバーについて言及しています。
川勝知事「公正中立が極めて重要」と8人の名前をあげる
静岡県 川勝平太知事(14日):「公正中立ということが極めて重要。専門性は言うまでもないが、国家的な見地からモニタリングできるそのような方が望ましい。そういう観点から言うと、今までの座長とまた違うレベルというか、より器の大きい人が求められる」
具体的には、自民党幹事長や運輸大臣を歴任した古賀誠氏や元総務大臣の増田寛也氏など学者や元政治家など8人の名前を挙げました。
川勝知事「杓子定規にここだけとなるものではない」
静岡県 川勝平太知事(14日)
Q.(有識者会議は)リニア計画全体のことまで話が及ばないと我々は受け取っているが、そこは知事は認識が違う?
A.「有識者会議の性格は有識者会議でお決めになったらいい。それは杓子定規にここ(水資源と環境保全)だけとなるものではないと思っている」
JR社長「地域の方に安心していただける。ありがたい」
そして先ほど、午後3時から開かれたJR東海の会見。リニア問題について何が語られたのでしょうか。
JR東海 丹羽俊介社長(15日)
Q.国土交通省が川勝知事に対して、新たな有識者会議を提案したが、これについて受け止めや今後の対応は?
A.「当社は事業者として大井川の水資源、南アルプスの生態系に関する環境保全措置やモニタリング等にしっかりと取り組んで、地域の皆様にわかりやすくご説明をしていきたいと考えているが、この静岡工区における水資源と環境保全の両分野について、当社が行う対策の状況を、継続的に確認するためのこの新たな有識者会議が開催されることで、地域の方々により安心していただけるのであれば、これはありがたいことであると考えている」