【PFAS】血液検査で高濃度の数値が検出された化学工場の元従業員の男性が心境を語る
静岡市の工場周辺の水路で有機フッ素化合物PFASが検出された問題を巡り、血液検査で高濃度の数値が出た元従業員が心境を語りました。
元従業員の男性:
「いつ健康被害が起きるかもしれないという不安はあります」
静岡市清水区の「三井・ケマーズフロロプロダクツ清水工場」で1965年からおよそ40年間働いていた元従業員です。
この化学工場を巡っては、周辺の水路から発がん性などが指摘されるPFASが国の暫定目標値を大幅に超える濃度で検出されたことが問題になっています。
工場側は、これを受け2月9日従業員と元従業員の血液検査を実施。
取材に応じた元従業員の男性からは、全国平均値のおよそ15倍となる濃度のPFOAが検出されました。
マスクなし手袋なしで…
元従業員の男性:
「え、これ高いの?低いの?っていう感じ」
工場では、2013年までPFASの一種「PFOA」を使用。
男性は当時、フッ素樹脂を製造するためPFOAの計量作業を担当していました。
元従業員の男性:
「テーブルの上にあるはかりの上に、手付きのビーカ
ー、そこにステンレスのスコップで計量していく。超純水みたいなものを使うんです。それに溶かして、それを横型の重合窯の中に入れる。そういう作業をしていた。その時に、マスクなし、手袋なしで(約)10年間やっていた」
記者:
「扱うときに取り扱いを気を付けてほしいとか注
意は?」
元従業員の男性:
「何もない、当時はない」
男性は2年半前に舌がんを患いましたが、PFOAが原因かどうかはわかっていません。
血液検査を毎年行ってほしい
また、当時、同じ作業をしていた別の男性は、全国平均値の20倍を超える、1ミリリットルあたり48.5ナノグラムを血液から検出しました。
男性は、経過を見るため血液検査を毎年行ってほしいと言います。
元従業員の男性:
「検査結果を見ながらフォローをしてほしいですね。そうしないと1回だけやったってわからないですからね。お医者さんを紹介してもらってそこで診断を受けるとか手はずをしてもらいたい」
5月に新たな浄化設備を
一方、国の暫定目標値の220倍のPFASが検出された工場近くの三保雨水ポンプ場では、工場側が去年12月から試験的に浄化設備を稼働させましたが、モニタリング調査ではほとんど数値に変化はありませんでした。
これを受け工場側は5月、新たに浄化設備を設置し、7月には増設するとしています。