ボーリング調査の早期実施について静岡県や流域市町に説明し着手したい考え示す JR東海社長

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リニア新幹線問題でJR東海の丹羽社長は7日の定例会見で静岡県内のボーリング調査を早期に実施したい考えを改めて強調しました。

JR東海 丹羽俊介社長 名古屋市 7日
「できるだけ早い時期にボーリング調査を再開して、県境を越えて静岡県内の地質・湧水の状況を確認したいと考えている」

 丹羽社長が言及した、掘削前の地質などを調べる「ボーリング」をめぐっては、現在川勝知事側と大井川流域側で意見が割れています。

流域市町も「ボーリング」を求める

島田市 染谷絹代市長 2月25日
「流域の総意として、モニタリングや高速長尺先進ボーリングについて流域は、どちらも早く着実に進めてもらいたい」

  その理由は、大井川から取水している田代ダムが来年11月まで改修中のため、現在通常よりも多くの水が大井川に流れているためです。

島田市 染谷絹代市長 2月25日
島田市 染谷絹代市長 2月25日

しかし、川勝知事は

 ところが、この人は・・・。

川勝知事 2月26日
「(大井川流域市町の)総意というふうに言われているが、そこを一つ一つ確かめる必要があるというふうに思っている」

 その後の静岡県議会では・・・。

川勝知事 県議会本会議 5日
「多くの市町の回答は山梨県側への流出量が発電所の工事中、取水停止により大井川で増加する水量の範囲であればという前提条件を付けている。この件を県と協議する必要があるという複数の意見があった。湧水量を戻さない考えに反対はしないという消極的な意見もあった」

 「ボーリング」をめぐって二分化しているようにも見える静岡県内。

川勝知事 県議会本会議 5日
川勝知事 県議会本会議 5日

ボーリング調査の実施を静岡県にも説明へ

 この状況に、JR東海は7日・・・。

JR東海 丹羽俊介社長 名古屋市
「県境を越えて静岡県内のボーリング調査を早期に実施することで、地質・湧水の状況を把握して、その結果を公表することが流域の関係者の皆様の安心につながるという思いは、私どもとしては流域8市2町の皆様と同じで、静岡県や他の利水関係者の方々に説明していきたい」

 県や利水関係者に説明し理解を求めつつ、早期にボーリングに着手したい考えを示しました。

 去年2月から山梨県内で始まったボーリング。

 現在、静岡県境まで残り459m地点で機材のメンテナンスのためストップしています。

 ただメンテナンスも終了したことから、JR側は近く再開することを明らかにしました。

JR東海 丹羽俊介社長 名古屋市
JR東海 丹羽俊介社長 名古屋市

今後モニタリング会議は

 また、7日の会見で丹羽社長は「あの会議」についても静岡県側をけん制しました。

JR東海 丹羽俊介社長 名古屋市
「モニタリング会議は“静岡工区”の水資源・環境保全に関する有識者会議の報告書で整理された対策について、科学的・客観的観点からその状況を継続的に確認するための会議であると認識している」

 先週初会合となったリニア中央新幹線“静岡工区”のモニタリング会議。

 取材する国も、あくまで静岡工区について話し合う会議としていますが・・・。

川勝知事 県議会本会議 5日
「全体の工程を見直すという流れの中でモニタリング(会議)が行われるので多くの可能性があると思っている」

 静岡県とJR東海とで食い違う認識。

 その中で、7日の会見では記者からこんな質問も・・・。

Q山梨県から静岡県に向かって実施する高速長尺先進ボーリングの話は、国の有識者会議の報告書では議題に上がっていないが、これについてもモニタリング会議では議題に上がる可能性もあるのか?

「このモニタリング会議でどのような議論がされるかは
今後私どもというよりは、事務局は国交省で、委員の先生方がいろんな議論をすることになる。私どもは説明を尽くしていく」

静岡県とJR東海とで食い違う認識
静岡県とJR東海とで食い違う認識