静岡市が新年度当初予算案を発表 注目の2つの事業について記者解説
石田アナウンサー:
「「静岡市政を担当している林記者です。注目の新アリーナ事業は、建設費300億円と巨大プロジェクトですね」
林輝彦記者:
「はい。市は国の補助金や交付金を活用して賄う方針を示しています。また、市はアリーナの運営権を民間の事業者に売り、この運営権の対価を建設費に充てれば市の負担はないと説明しています。ただ、巨額の建設費です。難波市長は事業者が手を挙げなければアリーナ事業は凍結するとも話しています」
石田アナウンサー:
「市はアリーナの経済効果をどのように考えているのでしょうか。」
林輝彦記者:
「はい。市は建設3年、そして運営30年の経済効果はおよそ1455億円を見込んでいて、雇用や市民税の誘発にもつながり高い経済効果が得られると考えています。」
地元住民は
石田アナウンサー:
「建設予定地の周辺住民からはどのような意見が出ているのでしょうか。」
林輝彦記者:
「先日、地元の自治会や有識者らで構成される協議会を取材しました。新アリーナ構想を含めた東静岡地区のまちづくりに関する骨子が了承されましたが、地元の住民からは現在も渋滞が問題になっている国道1号が、アリーナができることでさらに混雑するのではないかという声が上がりました。また、この骨子では静岡鉄道の長沼駅から新アリーナ、そして東静岡を高架型の歩道でつなぐ「ペデストリアンデッキ」を整備すると明記されました。これについては「周辺は道が狭いし、住宅も密集している。また、どういう形でペデストリアンデッキを通すのか、それによって生活に支障をきたさないか」と懸念の声が上がりました。」
石田アナウンサー:
「アリーナ構想の今後のスケジュールは?」
林輝彦記者:
「はい。2025年度中に事業者を選定し、2030年度の開業を目指しています。」
宮川・水上地区の再開発事業
石田アナウンサー:
「そして、東名高速久能山SICの再開発も目が離せませんね。」
林輝彦記者:
「はい。市は大型商業施設の誘致を核とした大規模な再開発を計画していて、難波市長は「あれだけの面積で、面的なまちづくりができるのは、恐らくこれが最後のチャンス」と期待を寄せています。」
石田アナウンサー:
「新年度の予算には何が組まれていますか?」
林輝彦記者:
「はい。道路整備費用などに10億8000万円余りが計上されました。」
コストコ出店か
石田アナウンサー:
「これまで市は、中心市街地に商業施設を集中させる、まちづくりを進めてきました。様々な制限もあったのでは?」
林輝彦記者:
「はい。そのため市は大型商業施設誘致の壁になっていた静岡市が定める郊外の売り場面積を制限する指針を改正しました。先月31日に売り場面積の上限を8000平方メートルから1.5倍となる1万2000平方メートルに広げ、建物の延べ床面積も1万平方メートルから2倍の2万平方メートルまで引き上げました。」
石田アナウンサー:
「着々と準備が進んでいますが、ずばりどんな施設が誘致されるのでしょうか。」
林輝彦記者:
「はい。現在は地権者と事業者が誘致に向けて話し合いを進めています。また、難波市長は先月27日に市内で行われた静岡商工会議所の女性会との懇談会で「よくコストコがどうのこうのと言われるが別にコストコが来るために規制緩和したわけではない。あそこの用地を最大限に活用してもらうためにできるだけ大きな商業施設に来てほしい」と話しました。」
石田アナウンサー:
「なるほど。コストコですか。具体的な名前も出ているのですね。ちなみにコストコの出店条件はどうですか」
林輝彦記者:
「はい。市が指針を改正したことで、コストコを誘致する条件に当てはまっているものとみられます。」
石田アナウンサー:
「この二つの事業、難波市政の今後のカギを握りそうですね。」
林輝彦記者:
「はい。4月で任期を折り返す難波市長がこの2つの事業にどう道筋をつけていくのか。人口減少に歯止めをかけることができるかのカギになりそうです」