総理の商品券問題が直撃した静岡市議会議員選挙 自民党が過半数届かず 国民民主党の新人2人が2選挙区でトップ当選

23日投開票された静岡市議会議員選挙。商品券問題が直撃し、自民党が議席を減らした一方、国民民主党の新人2人がトップ当選を果たしました。
23日投開票された静岡市議選。
これまでにない、衝撃的な結果となりました。
自民党 鈴木和彦さん
「自民党の組織の中のことだから仕方ないよね。影響はやっぱり受けざるを得ない」
国民民主党 玉木雄一郎代表
「この選挙を全国の人が注目しています」
9日間の選挙戦では、各党の幹部が次々と静岡入り。
まるで国政選挙を見ているかのような、異例の選挙戦となりました。
公明党 斉藤鉄夫代表
「この政令都市大型市議会議員選挙の動向がこれからの日本の政治の行方を決する。こう言っても過言ではない、そういう大変重要な選挙でございます」
その一因となったのは、石破総理の商品券配布問題です。
日本維新の会 前原誠司共同代表
「石破さんは最もお金の問題とは縁遠い方。そういうイメージがございましたけども、結局、ご自身も商品券10万円を多くの方々に配るという中で政治活動を行っていたということであります」
立憲民主党 小川淳也幹事長
「あれだけクリーンなイメージで、党内で正論を吐き続けてきた石破総理が、新人議員を集めて一人あたり商品券10万円。私は官房機密費が使われた可能性が濃厚だと疑いを持っております」
商品券問題による“逆風”に、自民党候補からは“困惑”の声が…。
自民党 石上顕太郎さん
「静岡市政をこうしたいんだとか、そういうことを言うべきであって、静岡市で問題が起こったわけでもなんでもないわけですから」
自民党 山根田鶴子さん
「商品券のことは誰からも聞きませんでした。国は国レベルでしっかりけじめをつけて説明責任を果たしていただきたい」
国民民主党
国民民主党の新人で、元国立印刷局職員の杉山真裕子さん。
葵区の中山間地域、玉川で生まれ育った杉山さん。
女性の視点での政策推進の重要性を訴えます。
国民民主党 杉山真裕子さん
「女性の活躍が静岡でも遅れています。今、静岡市議会葵区は女性議員もゼロ。女性目線での政策の一つとして、無痛分娩費用の助成と体制整備をしていきたい」
今回初めて静岡市議選に候補者を擁立した国民民主党。
葵区に杉山さん、清水区に田中健衆院議員の秘書だった堀池昂平さんを擁立しました。
国民民主党 榛葉賀津也幹事長
「代表と幹事長が2人揃うなんてめったにないんだよ。田中健の選挙で2人揃うことなかったよ。真裕子と昂平は幸せもんだね」
Q.(静岡市議選は)どのような位置付け?
国民民主党 玉木雄一郎代表
「大変重要なですね。夏の参議院選挙全体を位置づける、つながっていく前哨戦的な役割もあるだろうと思っています。そのためにも、この静岡市議会議員選挙、負けるわけにはいきません」
国民民主党 榛葉賀津也幹事長
「まさに国政テーマが大きく影響を及ぼす市議選になると思います」
国民民主党(葵区トップ当選)杉山真裕子さん
「訴えた政策への期待、国民民主党に期待していただいている票もあるかと思います。まっすぐ実行していきたいと思います」
杉山さんは過去最多得票の1万3082票を集め、葵区でトップ当選。
前回トップ当選を果たした2位の自民党候補に対し、ダブルスコアで圧勝しました。
国民民主党(葵区トップ当選 杉山真裕子さん
「やはり自分の地域を一歩出ますと、国政の影響は本当にあるなというのは実感しておりました」
清水区の堀池さんも全体2位の9312票を獲得し、清水区でトップに。
こちらも清水区で過去最多の得票です。
Q.(国民民主党の)国政の勢いを市議選でも感じた?
国民民主党(清水区トップ当選)堀池昂平さん
「大いに感じたところであります。私は新人で何の実績もないにも関わらずこんなに多くの票をいただけたのは、国政の風みたいなものを大いに受けたんだろうという実感はあります」
擁立した2人が揃ってトップ当選という、国民民主党の勢いを表す結果が静岡市議選でも示されました。
国民民主党県連 田中健会長
「やはり国民民主党への期待も大きな結果につながったと思うので、この声を謙虚に受け止めて、そして政治を変えてほしい?という声を国会でも実現できるように私も頑張っていきたい」

立憲民主党
同じく議席を伸ばしたのが立憲民主党です。
立憲民主党(清水区で初当選)松井麻未さん
「女性の声や働く若い世代の声が反映された結果だと思っていまして、その声をしっかりと反映していけるよう、全力で頑張ってまいりたいと思います」
5人を擁立し、新人2人を含む4人が当選。
現有の2議席から倍増させました。

自民党は
一方で、選挙前23あった議席を、推薦を含めて20に減らした自民党。
Q.石破さんの商品券問題の影響は感じた?
自民党 鈴木和彦さん
「もちろんあったでしょ。直接どうこうはないですけど、やっぱり市民の気持ちの中には当然あったと思いますよ」
Q.野党は大物幹部が続々と応援に入って…
「いつもの野党のやり口かなって思いますよ。そんなに大きな問題かと言うと、私はそんなに大きな問題じゃないと思いますよ」
市議会最大勢力は維持しましたが、焦点の過半数には届かず敗北と言える結果です。
自民党(静岡・葵区選出)天野一県議
「今まで地方の政治は地域密着型の選挙だったのが、党としての戦いの選挙が今回初めて出てきました。これから国政と地方の政治のあり方が変わる選挙になるのではないか」
Q.国政が市政に影響した?
「そうだと思います」
国政の影響が色濃く出た、今回の静岡市議選。
最多73人が立候補した激戦は、「自民敗北」、「野党躍進」という結果に。
投票率は42.01%と、過去最低だった前回から1.9ポイントほど上昇ました。
