〝トランプ関税〟90日間の一時停止　製茶メーカー「率直に良かったけど…影響は大きい」　静岡・御前崎市

　追加関税の上乗せ分の一時停止を発表したアメリカのトランプ大統領。静岡県内の企業からは、安堵の声が聞かれた一方で、先行きは不透明です。

石破総理：「（米国が）相互関税措置を発動したことは、その一部につき、９０日間の一時停止を表明したとはいえ、極めて遺憾であります」

　日本政府にも「寝耳に水」だった「相互関税」発動の一時停止。政府は交渉担当の赤沢経済再生担当大臣が来週にも訪米する方向で調整しています。

笹村朱里アナウンサー：「トランプ大統領による相互関税。上乗せ分に関して９０日間停止すると発言があり、県内のお茶農家はどう受け止めているのでしょうか？」

やまま満寿多園　増田剛巳社長：「２４％関税がかかると思っていたものが、一転して１０％になったわけですから、本当に率直によかったなという気持ちです」

　御前崎市の老舗製茶メーカー、「やまま満寿多園」。１５ヘクタール＝東京ドーム３個分もの茶畑を所有。世界３０カ国以上に商品を輸出していて、海外での売り上げが全体の８割にのぼります。

Ｑ．ここは今何の作業をされているんですか？

やまま満寿多園　増田剛巳社長：「ここはもうすでに袋詰めが終わったお茶を段ボールに入れている状況です。これはもうまさしくアメリカに出荷する商品です」

　アメリカへの輸出を始めたのは、３５年前。現在、売り上げに占める割合はおよそ１５％と、主要な輸出先の一つです。

やまま満寿多園　増田剛巳社長：「（日本食レストランは）今はおそらく全米で２万店舗じゃきかない。日本食レストランを通じての伸びというのがまず一つある。私どもとしてはアメリカはもう本当に大きな輸出先になっているものですから、本当に大事な相手国」

アメリカへ輸出しているお茶。味にも、特徴が。

笹村アナ：「おいしい。しっかり旨味を感じますし、後味はしっかりしていて、渋みは感じない」

やまま満寿多園　増田剛巳社長：「実は渋みのビターという部分は世界中で嫌われる要素が多いです。ですから渋みは少ないお茶になります」

　輸出しているのは業務用だけでなく、小売り用も…。荒茶や玄米茶など、およそ２０種類の商品を輸出しています。

　これまで、日本茶に対する関税はゼロ。それが今後は少なくとも１０％、今後さらに上乗せされる可能性もあります。

　現地での値上げは避けられず、売れ行きへの懸念が…。

やまま満寿多園　増田剛巳社長：「１０％でもお客様の元にいく時、それだけ高い価格になってしまうので、そういった意味では非常に大変なこと。本当に私どもには影響が大きく、今後出てくるんじゃないかと懸念しております」