無謀な富士登山に地元市長が激怒…「救助費用は自己負担にすべき」 県民の意見は 静岡・富士宮市
多くの人を魅了する富士山。今、問題になっているのが閉山期間中の“無謀な登山”です。「富士宮ルート」を抱える静岡県富士宮市の須藤市長は9日、定例会見で怒りをあらわにしました。

富士宮市・須藤秀忠市長:「言うこと聞かないで勝手に登っている。それで遭難する。救助の費用たるや莫大なものになるわけですよ。(その費用は)遭難者負担にすべきじゃないかと思っている。要するに自己責任だと」
救助隊は二重遭難のリスクもある中、現場へ向かいます。
富士宮市・須藤秀忠市長:「その命がけの救助の気持ちを考えないで、2回も同じような時期に遭難する中国人がいたりする、そういう情けない話もありますしね」
遭難4日後にまた遭難
この中国籍の男子大学生(27)は4月22日、山頂付近から「登山靴に装着する滑り止め(アイゼン)をなくして下山できない」と、自ら通報し、山梨県の消防ヘリで救助されました。ところが4日後にも富士山に登り、体調不良で下山できなくなり、静岡県警山岳救助隊によって救助され、8合目から5合目まで担架で運ばれました。再度登山した理由は、山頂に置き忘れた携帯電話を取りに行くためでした。

7月の山開きまで閉山中の富士山。5合目の登山道入り口は閉ざされ、静岡県などは登山を自粛するよう呼びかけています。しかし、無謀な登山は後を絶ちません。閉山期間中の遭難救助の費用は個人負担にすべきと主張する須藤市長。今後、県に要請したいとも述べました。

県民は
こうした提案に、県民は…。
静岡市民50代:「税金を補填するのはどうかなという気が正直ある。何%かの負担はあってもいいが、基本的には自分の負担がいいんじゃないかと思う。危険が伴うので、登りたい気持ちは分かるが、やめていただいた方がいいと思う」
焼津市民40代:「これまでいっぱい対策をしたのかもしれない。したうえで、どうしようもないと思った結果そういうふうになっているのであれば、致し方ないのかなって思う部分はある」

静岡市民20代:「自己責任と言うと冷たい言い方になるが、税金で救助されるのは、人の命が助かるという面ではいいことかもしれないが、あまりうれしくはない。知らないで入ってしまっている人もいるかもしれないので、もっと厳重に絶対入れないぐらいにしておくといいんじゃないかと思う」
静岡市民20代:「個人的には富士宮市長の意見はわかるが、いざそれで救助しないとなると、SNSで切り取り記事とかにされそうでそれが怖い。自分も富士山に登ったことがあり、(救助の)大変さはわかる。かといって、(救助を)しなくていいわけではないと思うので難しい」
静岡市民40代:「実際に請求されてしまった方の事情はそれぞれなので、請求されて払える方はいいが、払えない方の実情の対応というのは問題になると思う。ルールの厳格化は必要かもしれないが、救わなきゃならない状況で、救えない状況を作るというのは公的な仕事としては反対かなと」
