川勝県政の負の遺産? 静岡県の新県立中央図書館 総事業費298億円のうち136億円を国の交付金で賄う計画だったが…

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 現在、駿河区谷田(やだ)にある、静岡県の中央図書館。完成は1969年で、老朽化が進んでいます。

●山﨑琢也記者:
「図書館1階の書庫に来ています。天井を見てみますと無数のひび割れが走っています」

 移転が持ち上がったのは、川勝前知事の時代です。当時、「文化力の拠点づくり」の一環として、2017年にJR東静岡駅前の県有地への移転が決まります。

●川勝前知事:
「様々な選択肢を検討した結果、県立中央図書館の機能を全て東静岡に移転し、整備することが最善との結論に至りました」

 基本計画では、建物は9階建てで、延べ床面積はおよそ2万平方メートル。蔵書可能数はおよそ200万冊と現在の2倍以上となり、公立の図書館としては国内最大級です。

 県産木材をふんだんに使う独創的な造りで、1階と2階には「交流の場」として、多目的ホールやカフェなどが併設されます。

 しかし、その後は、順調とは程遠い道のりを辿っていました。当初、192億円と試算していた事業費は、資材価格や人件費の高騰によって、100億円余り増加し、298億円まで膨らみます。

さらに…。

●県教委の担当者:
「入札不調という取り扱いになりました」

2024年実施した建築工事の入札は、一社も名乗り出ず、不調に終わっていました。

 そして、今回新たに分かったのが国の交付金の大幅な減額です。県は総事業費298億円のうち、136億円を国の交付金で賄う計画でした。

 しかし、実際に交付されるのが34億円程度にとどまることが判明。財源が100億円余り不足し、県の負担が増えることは避けられない事態に…。

 19日午前、県議会の臨時会に出席した鈴木知事。その後記者の問いかけに対して…。

●鈴木知事:
Q.計画の見直しは必要だと思うか
「・・・・・・・」
Q.新たに議論する部分は?
「・・・・・・・」

 教育委員会の担当者は、19日も県議らへの説明に追われていました。減額されることになった、交付金100億円。そもそも、どれぐらい実現する可能性があったのでしょうか。

 私たちの取材に、県幹部の一人は見通しが甘かったことを認めました。

●県幹部:
「136億円も1つの県に渡せるわけがない。今回の件は完全に事務方の確認不足だ。教育委員会は(交付金を所管する)国交省に直接お願いに行っているが、川勝時代にリニアであれだけ揉めて、金額の話なんてできない。川勝県政の負の遺産だよ」

川勝県政の負の遺産? 静岡県の新県立中央図書館 総事業費298億円のうち136億円を国の交付金で賄う計画だったが…