唐揚げ1個の給食がネットでバズり…なら静岡はどうなんだ? 1食337円…予算内で栄養バランス考える苦労、しかもコメ高騰で…
突然ですが、あなたが“一番好きだった学校給食のメニュー”は?

静岡市30代:「定番なんですけど、やっぱりカレーは嬉しかったですね。毎日きょうの給食何かなってチェックして、カレーって書いてあると「カレーだよ」ってみんなに教えてテンション上がっていた覚えがあります」
静岡市20代:「私あの麺がすごく好きだった。あんかけみたいなのをかけて食べる麺。ソフト麺、めちゃくちゃ好きでした」
沼津市60代:「私ね、クジラの竜田揚げ。クジラと聞くと皆さんちょっと、今はあまり出ていないから。おいしかったと思いました」

小学校の給食の写真が話題に
子どものころは、給食が楽しみでわくわくしましたよね。しかし、最近ある写真が話題となりました。ご飯に、牛乳に、みそ汁。おかずはお皿にポツンと置かれたから揚げが1個だけ。今年の4月に福岡市の小学校で提供された給食です。

この写真を街で見てもらうと…。
静岡市20代:「見た事ある。私SNSで見ました。自分たちの時はめっちゃ量があった感じだったので、これは寂しくない」
沼津市30代:「小学生って食べ盛りなので、それに合わせると、ちょっと量が少ないと思う」
静岡市30代:「上の子が保育園に行っているんですけど、けっこう給食で栄養を摂っていると思うので、もし小学生になった時にこれだけだと学校で栄養摂れていないのかなと心配になる」

福岡市の小学校の給食費は、1人1食あたり、およそ289円。この献立は合わせて620キロカロリー。1食あたり600キロカロリーという福岡市の基準は、満たしていますが、さまざまな声が聞こえました。
静岡市の学校給食は?
伊地健治アナウンサー:「おかずは、から揚げ1個という給食が話題になる一方、お米を始め、さまざまな食材の値段は高騰が続いています。そんな中、静岡市の学校給食はどのようになっているのでしょうか?」

給食を管理する担当者を訪ね、まずは静岡市の給食費について聞きました。
静岡市学校給食課 中野雅也課長:「保護者から徴収している金額は、食材費として280円。それだけでは食材費賄えませんので、国からの交付金を活用して市として物価高騰対策で、57円予算を使っています。合わせると1食あたり337円です」

今から36年前。保護者から徴収する小学校の給食費は1食あたり201円でした。その後、消費税UPなどの影響で、年々増加。3年前には、物価高騰の影響を受け、保護者からの徴収金だけでは足りなくなり、国の交付金を活用するようになりました。

その金額もどんどん上がり今年の4月からは、静岡市の給食費は1食あたり337円となっています。
そして、これとは別に、給食を作る際の人件費や、配送する際のガソリン代などは静岡市が負担しています。この運営経費も年々増加しているそうですが、その金額は?
静岡市学校給食課 中野雅也課長:「4億6400万円ですね。この数年の食材費の値上がりと言いますか、いろんなもろもろの物価上昇というのは、やはり色んなところに影響が出ているのかなと実感として思います」
給食を作っている現場は
実際に、学校給食を作っている現場を訪ねました。
伊地健治アナウンサー:「あ、窓がありますね。2階からこうやって見えるんですね。大きい釜がいっぱいです」

こちらでは、静岡市駿河区の安倍川から東側の小中学校、合わせて17校分の給食を、作っているそうです。
伊地健治アナウンサー:「いま午前10時を過ぎたところですけど、何時ぐらいまで調理して、何時ごろから配送が始まるんですか?」
西島学校給食センター 神谷賢所長:「この調理は10時35分くらいまでですね」
伊地健治アナウンサー:「じゃあ、後30分ぐらいで全部作り終えちゃう」
神谷賢所長:「その後、11時10分ころから順次、配送します。」

そんな、給食作りの苦労とは? 献立を作る、栄養士に聞いてみました。
伊地健治アナウンサー:「色んな食材を使っているのが分かるんですけど、食材の高騰によって苦慮している部分はあるんですか?」
栄養士 岡野菜央さん:「限られた予算の中で、栄養バランスも考えなければいけないので苦労しています」
食材費を抑えるために、さまざまな工夫をしているそうです。
栄養士 岡野菜央さん:「価格の高い鶏モモ肉ではなく、ムネ肉に変更したり、野菜も価格の高いタケノコから、比較的安定しているダイコンを使ったり、(ひき肉の代わりに)大豆製品を多く使用しています」
そして今、価格が高騰している食品の代表格と言えば“お米”。ご飯の回数や量は減っているのでしょうか?
栄養士 岡野菜央さん:「お米の量を減らしたりはしていない」
伊地健治アナウンサー:「頻度も特に変わっていないですか?」
栄養士 岡野菜央さん:「はい」

ご飯の量や頻度は変わらない一方で、お米の価格が値上がりした分、おかずにかけられる予算は少なくなっているそうです。
栄養士 岡野菜央さん:「(学校給食は)子どもたちの成長のために作っています。給食を見たり、食べたりして、楽しんでもらいたいのが一番だと思います」
小学校では
伊地健治アナウンサー:「静岡市内の森下小学校に来ています。ここは2年生の教室なんですが、午前の授業が終わって、これから給食の時間です。子供たち自身が給食を盛り付け給食センターから運ばれてきたばかりのおかずです」
気になる、きょうの献立はいわしのつみれが入ったするが汁に、駿河湾で獲れたかますの磯部揚げ。きんぴらに、ご飯に牛乳。バランスが整っています。
ちなみに、前日のメニューは、パンにツナを挟んで食べるツナサンドに、ジャガイモのトマト煮。フルーツと牛乳でした。

静岡市では、小学1、2年生は1食あたり530キロカロリー。3、4年生は650キロカロリ―。5、6年生は、780キロカロリーが摂取基準とされています。

給食でお腹を満たした後は外で元気に遊びます。
神谷孝之校長:「やっぱり給食は今も昔も、子どもたちにとって重要な一つの要素だと思うので、これからもおいしい給食を食べてほしいなと思っています」
子どもたちが、学校に行く楽しみの一つでもある給食。今後、その給食をどう守っていくのか考える時なのかもしれません。
