初当選の市長に“学歴詐称”疑惑…東洋大学を直撃 市議「卒業した証明を」 市長「怪文書は相手にしない」 静岡・伊東市
田久保真紀氏:「本当に驚きました。ありがとうございます。ありがとうございます」
1カ月前に、初当選を果たしたばかりの静岡県伊東市の田久保真紀市長。
田久保真紀氏:「皆さんのお金の使い方、42億円の図書館をあそこに1カ所建てることに使って、毎年2億円以上の維持費、これを皆さんが負担していく。それで本当にいいのか。それは皆さんの意思ですか」
市が進めていた新しい図書館の建設について、「計画の一時停止」を打ち出し、現職との一騎打ちを制しました。そんな田久保真紀市長をめぐり、“ある疑惑”が浮上しています。
田久保市長「必要な証明の提出は済んでいる」
25日の伊東市議会では…。
伊東市 杉本一彦市議:「現在、議会との対立があります。残念ながら、市長には学歴の証明はしていただけていない」
伊東市 田久保真紀市長:「必要であると思われるものの証明の提出は済んでおりますので、そこは議長、副議長に確認をいただければと、そのように考えております」

追及されたのは、東洋大学卒業という最終学歴について。市の広報誌にも、しっかりと記載されています。
伊東市 杉本一彦市議:「学歴の証明をすることがそんなに大変なことなのかと思いますよ。市長、ちょっと確認させてください。あなたは、東洋大学法学部経営法学科を卒業で間違いありませんね?」
伊東市 田久保真紀市長:「この件に関しては、全て代理人弁護士にお任せしていますので、私の方からの個人的な発言については控えさせていただきます」

きっかけは“市議全員にと手紙”
なぜ、“学歴詐称”疑惑が浮上したのでしょうか。きっかけは6月上旬、市議全員に届いたという手紙でした。手紙には…。
「東洋大学卒ってなんだ。中退どころか除籍であったと記憶している」
伊東市 田久保真紀市長:「このような怪文書のような卑怯な行為を行う人間の一定の要求を満たすことは、そういった行為の助長になる、そのように考えております」
田久保市長は「議長らには必要な書類を見せている」「すでに弁護士に対応を任せている」などとして、明確な答弁を避けました。

市議「シロクロはっきりさせるべき」
これに対して、市議からは…。
伊東市 杉本一彦市議:「市長が当該大学を卒業しているかいないかは、白黒はっきりさせるべきと考えます。議会に百条委員会の設置を求めます」
百条委員会の設置については、会派の代表者会議で話し合われる見通しです。

学歴詐称疑惑を追及した市議は、大学の卒業アルバムにも名前がないと訴えます。
伊東市 杉本一彦市議:「市長には早急に証明いただいて、市民の疑いを晴らしていただきたい。市のトップですから、やっぱり説明責任はあると思いますので」

田久保市長「怪文書の出所と特定を最優先」
これに対し、田久保市長は…。
伊東市 田久保真紀市長
Q.卒業証書と卒業証明書を提示して説明してほしい
A.「特に問題は感じませんので、すでに代理人弁護士の預かりになりまして、名誉毀損も含めて法的な手続きに入っておりますので、慎重に協議して進めさせていただきたい」
Q.説明の場を設けてほしい
A.「まず私としては、怪文書の出所と特定を最優先させていただきたい」
疑惑の払しょくには自ら証明するほかない状況ですが、頑なに対応を拒む、田久保市長。

大学に聞いてみた
そこで、番組で東洋大学に問い合わせてみました。
東洋大学広報課:「本学では、氏名の確認や在籍有無の照会は個人情報としておりますので、お答えすることができません」
Q.卒業していても、卒業アルバムに名前や写真が掲載されないケースはありますか?
A.「卒業アルバムの制作は学生団体が担当していますが、写真の掲載可否は本人の判断となっています」
改めて田久保市長に真意を質すと…
26日、改めて明確な回答をしない真意を質しました。
伊東市 田久保真紀市長
Q.疑念を晴らすための会見を開いていただきたいが難しい?
A.「難しいというよりも会見を開いてしまって、これで終了という形よりも、もう少ししっかり調査したいと思っておりますので、今の段階で幕引きすることは考えておりません」
Q.市長がちゃんと証明書を出せば一件落着で済むのに、そこを頑なに拒んで疑念を生じさせることをわざとやっているようにも見受けられるが?
「そこはですね、拒んでいるというつもりは全くないんですけれども、その提示をしましても、結局提示をしても、そこがちょっとね、何て言って、提示をしてもごめんなさい、ちょっと、ごめんなさい、もうちょっと考えます」
結局、最後まで明確な答えは得られませんでした。