『除籍』市長が公務キャンセルし“雲隠れ状態” 議会は7日に辞職勧告決議案を採決 議員から「早くやめて」の声も 静岡・伊東市
4日午後、静岡市で県内の市長が集まる定例の会議が開かれました。渦中の、“あの人”は…。
会場アナウンス
「本日は田久保市長が欠席となっています」

静岡・伊東市 田久保真紀市長(3日):「卒業は確認ができませんでした。除籍であることがその場で判明いたしました」
伊東市の田久保真紀市長の学歴詐称疑惑。市の広報誌にも、「東洋大学法学部」と掲載されていますが…。
静岡・伊東市 田久保真紀市長(3日):「私が経歴を詐称しているということは一切ございません」

市長が見せた「卒業証書」は
学歴詐称疑惑とともに問題になっているのが、田久保市長が市議会に見せた、卒業証書とされる文書です。
伊東市議会 中島弘道議長:「(ジェスチャーしながら)サッと出されて、サッと目をいったら、スッと引かれて、えー、見えないよって、もう一回と、サッとされる。自分と副議長がえ?っていう感じです」
Q.じゃあチラ見って感じですか?
A.「チラ見です(笑)」

議会が開かれる前、中島議長と副議長は挨拶のために市長室を訪問。
「東洋大学卒ってなんだ!中退どころか、私は除籍であったと記憶している」という、市議宛の文書について事実確認を求めると2つ折りのカバーのついた、卒業証書だという文書を見せられたといいます。田久保市長はカバーを開くと、一瞬で閉じてしまったため、学部名と名前があったことしか確認できず…。
中島議長が「それではしっかり見えない」と言っても、市長はまたすぐに閉じてしまったといいます。このとき見せられた卒業証書のようなものは、見開きの右側にあったそうです。

伊東市議会 中島弘道議長:「同じ平成4年に卒業した人の卒業証書を見せてもらった時に、ちょっと明らかにその時見た、チラ見したものとはちょっと違うなって」
これは田久保市長が卒業したと主張していた年と、同じ年の東洋大学の卒業証書です。卒業証書はカバーを開くと、左側にあります。

伊東市議会 中島弘道議長:「開いて左側に本物はあったけれども、見せられた時には右側にあったと思います」
一体何を見せたのか、田久保市長はいまだにはっきりと説明していません。
議会運営員会で辞職勧告決議案の採決決まる
市議:「広報いとうは、伊東市が発行する冊子ですから、公文書。非常に大きな問題で、私の勘違いでしたというレベルで済む話ではない」
4日、市議会で開かれた、議会運営員会。
委員長:「決議案は最終本会議に提出することとしたいと思います。ご異議ありませんか」
委員「なしなしなし」
田久保市長への辞職勧告決議案について、7日の本会議で採決することを決定。強い調査権限を持つ「百条委員会」の設置も、採決されることが決まりました。いずれも、賛成多数で可決される見通しです。

議長「早く職を辞していただきたい」
伊東市議会 中島弘道議長(4日午前11時ごろ):「伊東市をこんなに混乱させないでもらいたい、早く終結してもらいたいというのが一番です。きょう辞職勧告決議案が出たが、早く職を辞していただきたいと思っている」

田久保市長は3日間の公務キャンセルし「雲隠れ」
田久保市長は騒動によって迷惑がかかることなどを理由に、4日からから6日の日曜までの公務をすべてキャンセル。いわば“雲隠れ状態”となっています。
伊東市議会 中島弘道議長(4日午前11時ごろ)
Q.百条委員会の設置をやめてほしいと自分は言っていないと市長は主張しているが?
A.「副議長に録音しておいてくれと言って始まった。(市長が)本音で話したいから録音をやめてくれということで、いろいろ話し出した。(面会後に市長が)「これから伊東市は夏休みで忙しいから3人とも百条委員会を開かない、みんな同じような気持ちだった」と。でも、そんなことは何も話に出てないんですよ。本当に支離滅裂なことばかりです」

田久保市長の学歴詐称疑惑をめぐり、市民らが公職選挙法違反の疑いで、週明けにも刑事告発することを予定していることも新たに判明。田久保市長は市長選の際に、「東洋大学法学部」卒業と回答した調査票を報道機関に対して提出しています。
