“卒業証書”チラ見せ疑惑…録音データから見る19.2秒の真実 田久保市長と正副議長の主張は真っ向から対立 静岡・伊東市
静岡県伊東市の田久保真紀市長の学歴詐称疑惑で、田久保市長が正副議長にチラ見せさせたとされる“卒業証書”について、田久保市長と正副議長の証言に大きな食い違いがあることが分かりました。
田久保市長
田久保市長は13日、市議会の百条委員会に証人として初めて出頭し、中島弘道議長らに卒業証書と見られるものを「チラ見せ」した報道について、「私の方で手で提示して約19.2秒ほど見ていただいたと記憶しております」と述べ、報道の「チラ見せ」事実を否定しました。さらに証人尋問後、報道陣から約19.2秒の根拠を問われると「会話は録音の記録を持っております。それでストップウォッチで計りました」と話し、「(議長らから)『もっときちんと見せてください』『チラ見せでパタパタと閉じて、そういったことはやめてください』といった会話の記録はなく19.2秒提示した後に議長の方からは「いいじゃん」というコメントを頂いております」と述べていました。

正副議長
一方、中島議長らは「実際に私たちに見せてくれたのは2回です。2回本当にチラッと見せた」と話し「19.2秒という時間の問題じゃないと思う。(卒業証書が)本当に本物かどうかだ」と報道陣に述べて反論しました。

音声データは
こうした中、録音されていたデータから、その時の様子が確認できました。。
このやり取りは「除籍されたとする」告発文書が届いた後の6月4日、市長室で中島議長と青木敬博副議長が、田久保市長と面談した時の内容で、田久保市長が卒業証書を見せるのを嫌がっている様子が伺えます。
(田久保市長)匿名の投書があるからでしょうか?
(中島議長) それだけじゃなくて、他にも今までちょっと耳にするものが入ってきたもので、それで
(田久保市長)ハイハイ、分かりました、分かりました。ちょうど学歴証明用に持ってこいと言われていたもので、持ってきてますね。
(青木副議長)ありがとうございます。
(田久保市長)卒業アルバムと証書ですよ。(約19.2秒の始まり)
(中島議長)ちょっと見せて
(田久保市長)いやもう
※ここですぐ卒業証書を閉じられる
(中島議長)イヤイヤちょっと(隠されたので再度見せてと促す)
(田久保市長)ハイハイ
※ここでもちらっとしか見せてもらえない。とりあえず名前と学部は確認できた。
(中島議長)いいじゃん(約19.2秒の終わり)
(田久保市長)いや別に、普通に家の中に無かったんで、相当探しましたから。
(※は正副議長側のメモ)
これが、田久保市長が19.2秒の根拠とした会話で、「卒業アルバムと証書ですよ」から「いいじゃん」までが、およそ19.2秒ですが、我々が確認した所、「ちょっと見せて」から「いいじゃん」まで、実際に見ていた時間はおよそ10秒でした。
また田久保市長は「チラ見せでパタパタと閉じて、そういったことはやめてくださいといった会話の記録はなかった」と言っていましたが、2回チラ見せした内容が伺え、中島議長の「いいじゃん」だけが切り取られた形となっていました。
果たして、「チラ見せ」だったのか、しっかりと見せたのか、両者の主張は平行線です。