静岡県内で企業の倒産 9月に2025年最多 物価高が影響か「状況悪化肌で感じる」今後も増加傾向か

 静岡県内企業の9月の倒産件数は29件で、2025年最多となりました。物価高関連の倒産が増加し、今後も増え続ける可能性が高いということです。

 東京商工リサーチによりますと、9月の県内企業の倒産は29件で、前の月と比べ12件の増加、前年の同じ月と比べても8件増えたということです。負債総額は33億8千万円で、前の月と比べ19.4%増、前年の同じ月と比べても18.9%増えました。

 倒産の要因は物価高関連が6件と最多で、コロナ関連が5件、人手不足関連が3件でした。また、件数・負債総額とも西部での悪化が目立ったということです。

 4月から9月までの2025年度上半期の倒産動向もまとめられ、倒産件数は120件に上ったことがわかりました。120件台は8年ぶりということです。

 要因は物価高関連とコロナ関連がそれぞれ17件で最も多く、従業員別で5人未満の小規模事業者が79件、業歴別では「30年以上」が53件と全体の4割超を占めています。

 東京商工リサーチ・静岡支店の武田康宏チームリーダーは、自民党の総裁選で高市新総裁が誕生し、積極政策による財政悪化への懸念から円安が進んだことを受け、「小規模事業ではコスト転嫁が難しく、物価高での小口倒産が増加する方向性は変わらないだろう」と今後も倒産が増加する可能性を指摘しました。

 7日、静岡商工データも9月の企業の倒産・整理が29件、負債総額が34億6千万円余りに上ったと発表しました。件数・負債総額とも前の月に比べ大幅に増加し、業種別では建設が最多の7件、次いで食品・飲食の6件などとしています。

 資本金が500万円未満の小規模企業の倒産が16件と突出し、業歴が30年以上の老舗企業が10件などと
地域経済を支えてきた事業者の影響が表れてきていると分析しています。

 静岡商工データの豊田健一郎営業部長は「中小企業の資金繰りの悪化や金融機関の貸し出し姿勢の慎重さなど状況の悪化を肌で感じている。自民党の新総裁が生まれても、一過性の政策では厳しい傾向は変わらないのでは」と話しました。

静岡県内で企業の倒産 9月に2025年最多 物価高が影響か「状況悪化肌で感じる」今後も増加傾向か