後継者不足に悩む静岡・松崎町の明治時代の伝統建築「なまこ壁」 大学生がワークショップに挑戦

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 松崎町に残されている明治時代の伝統建築「なまこ壁」。今、後継者不足に悩まされています。そうした中、職人たちが新たな取り組みを始めました。ターゲットは大学生です。

●大場舞桜アナウンサー:
「華やかな景観が人気のなまこ壁通りです。こちらでは今日、このなまこ壁を作るワークショップが行われます。」

 真っ白な漆喰を塗り固めるなまこ壁。明治初期、木造が主流だった建物を雨や火災などから守るために誕生した松崎町の伝統建築です。

 しかし、時代とともに需要は減少。影響は他にも・・・

●高橋恒彦さん:
「(職人の)数は減ってますよね。全然いないです」

 なまこ壁の職人は、この20年で10人ほど減り、今ではわずか2人に。中村一夫さんと高橋恒彦さん。2人が指導役を務め、建築を学ぶ都内の大学生を対象にしたワークショップを初めて開催しました。

●主催者・増井さん: 
「なまこ壁を残すことを学生・若い子たちが本当に真剣に考えて、学び合うことでそれぞれに何かこう新しい未来が見えるんじゃないか」

 ワークショップでは、壁に見立てたパネルに下塗りと呼ばれる漆喰を塗る最初の工程を行います。

●学生:
「あ、全然足りない。思った5分の1くらいしかない」

目の前で見る職人の技に大学生たちは・・・

●やり取り:
「10分、15分あればできる」
「えー早すぎる!」

 学生たちは職人が10分ほどで終える工程におよそ2時間かかりました。

●学生(女子):
「実際やってみていかがですか? どうしてもはみ出しちゃう」
「平らな所からこう自分で半円状にして盛っていくって知って大変だなって」

 明治の時代から松崎町の建物を守ってきた『なまこ壁』。その頑丈で美しい伝統を次の世代に繋ぐ新たな歩みが始まりました。

●学生(男子):
「なまこ壁とか左官だけで生計を立てていく人が全員じゃなくても、こうちょっとやった事があって大きい壁を修復しようって時に集まれる人がいっぱい居たら良いな」

●中村さん:
「やっぱりああいうことを覚えてもらって、少しでも興味を持ってね。そうすれば僕らはもう今までやってきた中で嬉しいと思うけどさ。なまこ壁を好きじゃなきゃ80過ぎてまでやってられないですよ」

後継者不足に悩む静岡・松崎町の明治時代の伝統建築「なまこ壁」 大学生がワークショップに挑戦