立候補を表明した7人による公開討論会 テーマは市の展望や観光業など 静岡県伊東市の次のリーダーはいったい誰に…
告示まで10日あまりとなった伊東市長選挙。選挙戦に向け準備が進む中、 立候補者が伊東市の未来について論戦を交わしました。
25日夜開かれた、伊東青年会議所主催の公開討論会。
すでに立候補を表明していた7人が参加しました。
市政の立て直しが争点となる、今回の市長選。
最初の討論のテーマは、「伊東市の展望」についてです。
元市長 小野達也氏(62)
「私も8年間市政を預からせていただいた中では、ご要望いただいたことにお答えする、これがしっかりできていなかった。しっかりと皆さんと結論を出す、そういった新しい仕組みを考え出して、私から皆さんの方に出向いていく」
会社役員 黒坪則之氏(64)
「「地域戦略マネージャー」という具体的に市長の代理として、各地元に今のところ6カ所、事実上常駐していただいて、それを毎月市に持ってきてもらって、市で戦略会議を公開で開きたいと思っています」
観光協会理事 利岡正基氏(52)
「市政が信頼されるためにまずやらなきゃいけないことは、やはり市政の見える化だと思っています。市政のダッシュボードという形で、皆さんが情報を見たいときに、必ず今どういう状況になっているかを見えるような形にする」
前市長 田久保真紀氏(55)
「一過性のバラマキや利権の温床となるハコモノ政策とは決別し、「行政ドック」のような仕組みを市役所内に導入して、専門家や市民オンブズマンなどの第三者が定期的にチェックし、市民の皆様に公開していく仕組みを推進してまいりたい」
スポーツインストラクター 石島明美氏(58) ①
「市内を細かく区切って、予算をつけた協議会を設置していきます。市民がしっかりと信頼関係を市議と築いて、その地域のことを議会に持ち上げていただくパイプを作る。積極的な政治参加を進めていきたいと思っております」
NPO法人代表 岩渕完二氏(73)
「市長室は1階に置くと私は言ってます。いつでも来てください。いつでも話します。この姿勢です。市民参加型予算という発想です。伊東は三百数億円の予算があります。その1%、1%は市民の皆さんが考えましょう。市民と行政がクロストゥーユー、つながります」
前市議 杉本憲也氏(43)
「行政オンブズマン制度、こちらを導入していく。伊東市には今、市民の皆さんとの信頼関係を改めてつくる、これが必要なんです。そのためにはどうするか。徹底的に透明化をして公正である、これを市民の皆さんにお示しすることです」
観光業
観光業が基幹産業である伊東市における、街づくりについても討論となりました。
前市長 田久保真紀氏(55)
「国が提唱しているコンパクトシティ、つまり真ん中にすべてを集約するといった方針に盲目的に追従することはやめる。観光業で儲けるというのなら、まずは老朽化している観光トイレを直すとか、民間の方が活躍しやすい環境を作っていく。そういったまちづくりを進めていきたい」
会社役員 黒坪則之氏(64)
「新しいお客様、観光客の入り口を海に見出すのがいいんじゃないかと思っております。60~70代の女性、インバウンドをターゲットとしながら、(客)単価や利益を上げて、所得を上げ、これで経済を活性化していきたい」
前市議 杉本憲也氏(43)
「どうやって人を呼ぶか。実は市民の皆さんの口コミが一番強いんですよね。市民の皆さんがサインすれば割引できる、そんなクーポン制度を作って、この伊東に多くの人を呼びたい」
観光協会理事 利岡正基氏(52)
「観光のデータがきちんと取れて、きちんとそこに分析ができていないという問題があります。どういう策を立てれば、どういう方に来てもらえるか、そういった戦略を立てる」
スポーツインストラクター 石島明美氏(58) ②
「国の各省庁が募集しているいろいろな補助金をどんどん伊東市は利用するべきだと思っております。街を良くするためには人口を増やさなくてはならない。移住者をまず増やすことが私は大切だと思っております」
図書館計画
5月の市長選で争点となった、新しい図書館計画への言及も…。
NPO法人代表 岩渕完二氏(73)
「私は図書館の建設に反対でした。なぜか。高過ぎる。あんなもの42億円もするわけがない。伊東の人たちでインフラを整備していく。可能です。伊東の人たちにはそれだけの能力があります。地域内循環、これは経済の基本なんです」
元市長 小野達也氏(62)
「私が8年間市政を預からせていただきまして、基金残高67億円だったものが135億まで積み上がっております。この財政力を使って暮らしを豊かにする、これを第一にやっていきます。公共施設の建設などについても一回ゼロベースで見直していく」
小野元市長が途中で退席し、6人で行われた候補者同士のクロストークでも、図書館計画が話題に…。
前市長 田久保真紀氏(55)
「私と憲也さんは市議会議員時代、同僚でもございましたので、新しい図書館については100億円かけても造るべきと主張されていたのが非常に印象に残っております。判断基準、優先順位をどこにつけているのかお伺いしたい」
前市議 杉本憲也氏(43)
「「100億円かけても建ててもいい」と議事録に残っていますから、これは事実です。なぜそういう発言をしたかといいますと、図書館は非常に必要な施設だと私自身思っております。必要な事業があれば予算をかき集めてやる。これが行政の基本スタンス、市民の皆さんに命の危険がある施設は早急に改善すべき、これが判断基準です」
前市長 田久保真紀氏(55)
「老朽化してるのは図書館だけではございません。私は予算をかき集めてやるというのは違うと思っておりますが、大変参考になる意見をありがとうございました」
混戦模様の伊東市長選挙。
公開討論会はおよそ2時間に及びました。
