視覚障害のある弁護士が静岡市と和解 最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票で意思を確認されないまま代理で投票されたとして静岡市を訴えた裁判
代理投票で投票者に対する意思確認手順が十全なものではなかったとして、弁護士が静岡市を相手取って裁判を起こしていましたが、和解に応じました。
訴えを起こしていたのは視覚障害がある宇佐美達也弁護士です。宇佐美弁護士は2024年行われた最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票において、静岡市役所の代理投票制度を利用しましたが、本来確認される意向を確認されることなく、補助職員に投票されたことに対し、静岡市を相手どり、およそ100万円の損害賠償を求める訴えを起こしていました。
この件について10日県庁記者クラブで行われた会見で、宇佐美弁護士は裁判所からの和解勧告に応じたと発表しました。
宇佐美弁護士は和解に応じた理由について、市が制度運用の改善に尽力している点や障がい者協会などに改善の要望がないか質問していた点など、静岡市が歩み寄った姿勢をとっていたことを理由に挙げました。
また今回、裁判を起こすために市に対して形式上賠償金を請求していたということで、和解において解決金などは求めなかったということです。
今回の件に対し宇佐美弁護士は「こういったアクションを起こさなくても改善される世になればいいと思うが、自分の権利を守る為には立ちあがることも必要。今回の和解条項が総務省を通して全国の市町村に共有されることを願う」と述べました。

