リニア静岡工区着工へ 静岡県とJR東海が「自然環境保全協定」締結…周辺自治体トップは JR社長「着工時期は未定」
静岡県とJR東海は18日、リニア中央新幹線の静岡工区着工の前提となる「自然環境保全協定」を締結しました。合わせて県や流域市町の地域振興に関する文書も取り交わされました。
●鈴木知事:
「この協定の締結によりまして、JR東海が環境保全措置等を、実施することを文書をもってお約束いただくこととなります」
●JR東海 丹羽俊介社長:
「今後は1日でも早く工事に着手できるよう、鋭意準備を進めさせていただきたいと考えております」
●国交省 水嶋智事務次官:
「国土交通省といたしましても、モニタリング会議などを通じまして引き続きこの静岡工区の工事にしっかりと関わってまいりたいと思う次第でございます」
18日午後のJR東海と県の「自然環境保全協定」の締結式では、静岡市や大井川流域の市長などが同席し、国交省の水嶋智事務次官が来賓として参加する中、署名などが行われました。
協定には自然環境を保全するため、水資源や生物多様性・トンネル発生土についての環境保全措置の履行や、不測の事態が起きた場合直ちに工事を中断し、原因を調査して県に報告することなどが盛り込まれています。
あわせてJR東海は、県と東海道新幹線の活用を通して、県内の産業・観光の活性化などに連携して取り組むなどとする地域振興に関する基本合意書も締結しました。
大井川流域の10市町とも、モニタリングの着実な履行や地域振興などについての確認書を結んでいます。
着工工事に向けては、県が18日付で、リニア工事のモニタリングを担う「中央新幹線部会」を環境影響審査会の中に設置しました。
有識者など8人の委員も発表され、JR東海が定期的に実施するモニタリング結果や、異常事象が起きた際の報告などの評価・検証を行うということです。
締結式後、静岡市や流域の市長・町長も取材に応じました。
●静岡市 難波喬司市長:
「監視をしっかりしていくということが大事ですので、JR東海においては影響の回避、低減が一番大事ですから、とにかく慎重な工事をしていただく」
●島田市 染谷絹代市長:
「地域振興につきましては、私の考え方として、JRがやるというよりも、JRと流域がともに協力して進めていかなければならないことだと思っています」
●掛川市 久保田崇長市長:
「私ども流域にとって、何より重要なのは水資源の確保ではないかと思います。今日は決してゴールということではなくって、まだまだこれから続く中での一つの節目ということであります」
今回の協定締結を受け、静岡工区の着工が注目されますが、JR東海の丹羽社長は18日の質疑で、着手時期については「未定」としています。
着工に向けての工程について、丹羽社長は協定締結後、工事説明会を開催し、地域住民に工事計画や環境保全措置などについて説明した上で、安全祈願・起工式を行い、必要な設備を設置し、トンネル掘削工事に着手するとしています。
関係者によりますと、年内の着工はあり得るものの秋以降になるのではという話も出ていて、仮に年内に着工しても工事完了まで10年以上はかかることから、開業は2036年以降となる見込みです。