たった700mの川が地域を苦しめる…河川改修を阻む“縦割り行政の壁” 繰り返す氾濫に「住民に寄り添ってほしい」
静岡市清水区を流れる小さな河川が大雨の影響で度々氾濫し、周辺の住民に被害を与えています。縦割り行政によって進まない河川の改修工事。地域住民の声を取材しました。
「市民の財産と生命を守ってもらいたい」。こう語るのは静岡市清水区の舩原地区に住む斎藤政利さん(70)です。斎藤さんの自宅付近を流れる白部川は、普段は水量も少なく穏やかな川ですが、台風などによって大雨が降ると増水し、度々氾濫しています。
白部川について
「氾濫することが1番このあたりの人たちみんな困っている。床上、床下、車の浸水です」
斎藤さんの自宅も2022年の台風15号で氾濫した水が流れ込み、床上浸水の被害を受けました。
当時の様子や気持ち
「しょっちゅう床下で玄関には水が入っていて、まさか床上に来るとは思わなかった。あーっていう感じだった、あーもうだめだって」
白部川は静岡市が管理する全長約700メートルの小さな川で、巴川の支流である大沢川へ流れ込んでいます。市は白部川について、1時間あたり27から28ミリの雨で氾濫する可能性があるとしていますが、改修については…。
静岡市
「県が管理する大沢川の整備が終わっておらず、放流する水の量をこれ以上増やせない」
このため市は周辺2か所の池に雨水を貯めるための工事などを実施。大沢川の改修についても県に要望しています。
一方の県は…
静岡県
「上流から改修を進めると下流域の安全度が悪化する可能性があり、改修に向けて関係機関と協議を進めている」
県は白部川が流れ込む大沢川上流の改修を進めるためには、より下流の改修を先に終える必要があるとしています。
そのうえで…
静岡県
「白部川を単独で改修する場合にも、まずは大沢川流域の被害が大きくならないかを詳細に分析する必要がある」
斎藤さんは6月、長年相次ぐ自宅への浸水被害や改修が進まないことを受け、静岡簡易裁判所に申立書を提出し、受理されました。申立書では市に対して大雨の時には近くの池の水門を閉めることや、水路の水量を半減させて白部川への流入を減らすことなどを求めています。市は調停前のため、回答を控えるとしています。