「またかという感じ」市民もあきれ顔 浜岡原発の廃炉作業の費用請求でデータの書き換えが発覚 少なくとも14件の不適切な手続き 改ざんされた請求書で8億円が支払われる
御前崎市の浜岡原発で進む、廃炉作業の費用請求で、データの書き換えが行われていたことが分かりました。
● 中部電力 原子力本部 大塚温久原子力部長:
「当社の原子力部門において、度重なる不適切事案を発生させ、地域の皆さまをはじめとするステークホルダーの皆さまにご迷惑をかけていることに、心より深くお詫び申し上げます」
「再稼働」に向けた審査におけるデータ不正の問題とは別に、今度は「廃炉」に向けた作業において、新たな不適切事案が判明しました。
●中部電力 原子力本部 大塚温久原子力部長:
「少なくとも2024計画の14件の工事報告書の写しについて、書き換え資料を提出していることが分かっております」
御前崎市にある、中部電力・浜岡原子力発電所。今回問題となっているのは、浜岡原発に5つある原子炉のうち、
2009年に運転を終了し、廃炉作業が進んでいる1号機と2号機です。
いずれも原子炉本体の解体作業にすでに着手していて、2042年度までに廃炉を完了させる計画となっています。
廃炉作業を担うのは原子力事業者である中部電力ですが、廃炉に関する費用を管理するのは、全国の廃炉作業をマネジメントしている、「NuRO(ニューロ)」という組織。それぞれの原子力事業者は、毎年「廃炉拠出金」を納付し、「NuRO」が請求に応じて、廃炉費用を支払うという仕組みです。
今回新たに発覚したのは、中部電力側が廃炉の費用を請求する際に、実績よりも廃炉作業が進んだように、工事の報告書を「書き換えた」というもの。なぜ、不正は行われたのでしょうか…。
● 中部電力 原子力本部 大塚温久原子力部長:
「「計画通りの実績にしたかった」という意見が得られているのは事実ですけど、これが全ての理由かというとそうではないと思っております。どういう機器を解体したのか、機器の対象、あるいは重量がどれくらいだったか、こういったものを書き換えている。請求額が適切であったか、しっかり調査してまいりたい」
2024年度分の工事費として受け取ったおよそ11億円のうち、改ざんされた請求書に基づいて、8億円が支払われているということです。
● 中部電力 原子力本部 大塚温久原子力部長:
Q.計画通りに進まなかった場合、何かペナルティのようなものがあるのか
「そういうわけではありません。どういうところに意図があったかというと、正直申し上げて調査しきれていません」
相次いで発覚している、浜岡原発をめぐる不祥事。1月には、3・4号機の再稼働審査において、揺れを過小評価するデータを、中電側が“意図的”に選んでいたことが明るみに…。
原子力規制委員会が指摘した後にも不正を続けていたことが分かっていて、組織の在り方が問われる事態となっています。
● 中部電力 原子力本部 大塚温久原子力部長:
Q.書き換えは個人でやったのか、それとも組織的か
「今は広がりも含めて確認しておりますけど、単一個人で実施したものではないと捉えております」
市民からは…。
●御前崎市民:
「どちらかと言うと、私はむしろ稼働したらいいかなと思いますけどね。今回初めてじゃなくて何回もそういうのがあって、許されないですよね。改ざんは」
●御前崎市民:
「簡単に言っちゃえば、またかという感じですよね。とにかくここは中電の町ですので、中電の町というか、原発の町なので、全体的に経済的なものも含めて大きく影響が出てくるんじゃないかなと思うので…」
そして、午後4時から御前崎市議会で始まった、臨時の原子力対策特別委員会。中部電力・原子力部門トップの豊田本部長が訪れ、謝罪しました。
● 中部電力 豊田哲也 原子力本部:
「本当に皆さまに申し訳ないという気持ちでいっぱいでございます。申し訳ありませんでした」
地元からは、憤りの声が相次ぎました。
●阿南澄男 市議:
「御社の社風に問題があったことを改めて認識していただくとともに、現在進めている組織改革、意識改革、ルール強化の重要性を再確認していただきたいと思います」
●高田和幸 市議:
「「安全です」と今おっしゃっていますけど、「本当に?」という話。お金をもらうがために嘘をつくような、そういうことをしているところがちょっと信じられない」
●植田浩之 市議:
「企業ガバナンスが根本的に異常事態になっているんじゃないかと感じるんですよ」
下村市長も…。
●御前崎市 下村勝市長:
「今回も辻褄を合わせることによって、何らか隠蔽に近い部分が出てきている。そういう印象を持ちました。調査結果は動機も含めてはっきりしたものを出していただきたい」
経済産業省は中部電力に対して、来月25日までに報告するよう求めています。
●中部電力 豊田哲也 原子力本部:
「非常に厳しいご意見をいただきました。ある意味当然かなと思っております。辻褄合わせに見えるというのはそういったものをやってしまうという文化が我が部門にあるとするならば、そこは一掃しなければならないと思っていますし、時間がかかるかもしれませんが、一つ一つやっていくということだと思います」