【高校野球選手権静岡大会】開会式~連合チームとして初参加・浜北特別支援学校一人の選手の最初で最後の夏

夏の高校野球静岡大会の開会式が29日行われ、熱い闘いの舞台が整いました。入場行進する109校107チームの中に、最初で最後のこの夏に懸ける1人の選手がいました。
「声かれるまで応援するぞ」
「さあ行こう!頑張れ頑張れ!」
夏、連覇へ。
悲願目指す、ライバルたち。
踏み出した、新たな一歩。
浜北特別支援学校 池田謙信
「笑顔で最後まで笑っていたい大会にしたい」
全員が夏の主役。
城南静岡 主将 選手宣誓
「魂、ソウルを背負って全力プレーすることを誓います」
夏、開幕。
開会式でたったひとり学校の旗を手に行進したのが、浜北特別支援学校3年池田謙信選手です。
うまれつき耳が聞こえず人工内耳という装置を付けている池田選手。
野球に興味を持ったのは侍ジャパンの活躍でした。
池田謙信選手
「野球を見てWBCの選手が楽しそうにやっているから、そこからやりたいなって思いました」
本格的な野球経験はありませんでしたが、他の県の大会で特別支援学校の参加が徐々に増えていることから、この春静岡県高野連へ加盟を申請しました。
浜北特別支援学校 袴田裕之教諭
「池田くんのプレーを見て、障害のある子どもたちがやってみたいってひとりでも増えてくれればいいかなって思います」

佐久間、熱海との連合チーム。
池田選手にとって最初で最後の夏。
チームが集まれるのは土日だけですが、早くも打ち解けています。
浜松湖北高校佐久間分校 高木大希主将
「(最初に)聞いたときは少し不安もあったが、野球を通してもコミュニケーションがとれたり、その不安がなくなってよかった」
池田謙信選手
「やさしいです」
Qいろいろ教えてくれる
「いろいろ教えてくれたり、ここは違うよってちゃんと教えてくれるので、 そこはありがたいって感謝しています」

選手10人の連合チーム。
この日は練習試合です。
池田選手はベンチから積極的に声を出します。
池田謙信選手
「1アウト1アウトー!」
イニングとイニングの間は外野に行ってキャッチボールの補助。
攻撃のときは1塁コーチも。
いま高校野球を全身で楽しんでいます。
池田謙信選手
「(初戦が)楽しみな気持ちです。笑顔のある最後まで笑いたい大会にしたいって思います」
浜北特別支援学校の池田選手が踏み出す大きな一歩。
連合チームの初戦は7月6日浜松日体と戦います。
