新県立図書館建設問題で県の見通しの甘さを追及 浜松市の新野球場問題もスピード感を持って取り組むよう要求 静岡県議会常任委員会

財源不足により計画が見直されている新県立中央図書館をめぐり、30日の静岡県議会常任委員会で、県の見通しの甘さを指摘する声が相次ぎました。
自民改革会議 勝俣昇県議
「反省したということだが、これは財務執行上、事務処理上、大きな過失なので見過ごすことができない」
自民改革会議 坪内秀樹県議
「ずさんな見積もりであったことは間違いない。再発防止には原因の解明が必要」
30日の常任委員会で、集中的に論戦が交わされたのが、新県立中央図書館について。
この施設をめぐっては、国の交付金およそ100億円が減額されることが分かり、計画の見直しが迫られています。
文教警察委員会では、池上教育長自ら国との協議の経緯を説明。
1月の時点で、交付金が15億円程度になる可能性もあると伝達を受けていたこと明らかにしました。
これについて委員からは…。
勝俣昇県議
「1月の時点で厳しいことが分かれば採用した事業の見直し、及び議会に対しての説明は2月、遅くとも6月議会で本来であれば事業の見直しに伴う予算の組み直しが上がってきて当然。どのような判断の中で財政当局と協議を行いながら上げてきたのか」
池上重弘教育長
「国交省との協議の最中であったこと、また別途内閣府の第二世代交付金の検討を進めていたこと、さらに交付金額によっては事業費削減での対応も検討していたことなどから2月議会での説明・報告には至らなかった」
また県は計画の見直しにより9億円あまりの設計費用が無駄になる可能性を明らかにしました。
池上重弘教育長
「今回の反省を十分に踏まえて、私ができる範囲で図書館の実現に向けて尽力していきたい」
自民改革会議・宮沢正美県議
「この間10年にわたって基本計画から立てているが、アイデアを募集するなんて今からやっていくのもどうなのかなと思ったりもする」
建設委員会では浜松市に計画される新しい県営野球場について質疑がありました。
去年3月にまとまった需要調査では、資材費の高騰などからドーム型の場合の事業費が当初の370億円から450億円に増えると試算。
県は、7月中旬から民間事業者を対象にコスト縮減策や多目的利用についてアイデアを公募する予定です。
静岡県公園緑地課・熊谷修孝課長
「不動産開発や金融関係、そういうところにもさらに広く聞いて、より良い形ができるような提案を求めていきたいという調査を行うもの」
委員からは、年度内に計画案のとりまとめを示すことや、費用や役割について浜松市にも十分な協力を求める声などが上がりました。
静岡県議会建設委員会 西原明美委員長
「今回上げてきたもの(公募)はとにかく早急にやっていただいて、最終的なところの結論に導くものに対して、スピード感を持ってやっていくようにという大方の意見ではないかなと思います」
