阪神戦2戦8打数7安打の固め打ち! 打率3割でリーグ2位の前西武・くふうハヤテ鈴木将平がめざすNPB復帰 「内容と結果は一段と大事になる」タイムリミットは7月末
NPB球団の移籍期間が7月末に迫る中、プロ野球2軍・くふうハヤテベンチャーズ静岡の鈴木将平外野手(27)がNPB12球団復帰をめざして猛烈にアピールを続けている。

7月4日に行われたウエスタンリーグ阪神戦で3打数2安打1死球とマルチ安打を記録すると、翌5日はなんと5打数5安打の固め打ち。実績豊富な先発・西勇輝からも3打数3安打1打点1二塁打をマークするなど、打率をウエスタンリーグ2位の3割に乗せた。静岡高校時代に甲子園で活躍しU-18日本代表でも主軸、ドラフト4位で入団した西武では8年プレーし昨秋戦力外となった27歳は「NPBの舞台に戻れるように、ここからの内容と結果は一段と大事になってくる。どん欲に、最後まで集中力をもってやりたい」と前を向いた。
昨秋、戦力外通告を受けたのは一次宣告ではなく、ドラフト会議後の二次宣告だった。一軍でここまで5本塁打を放ちオールスターゲームにも選出された渡部聖弥外野手を大阪商大からドラフト2位で獲得するなどして、球団の構想から漏れたかたちだ。その後参加した2024年プロ野球合同トライアウトでも2安打でアピールしたもののNPB12球団からは声がかからず、地元にできた球団・くふうハヤテ入りを決断した。
「いままでの環境が恵まれていたと思いますし、野球を続けたいという思いは一層強くなるので、いい環境に戻れるようにと思いながら洗っている」と、練習で汚れた野球のユニフォームも自分で洗う鈴木。それでももう一度一軍の舞台に立つために一番こだわってきたのが結果だ。
「3割打たないとお話にならないと思う。鈴木が下にいるぞと、アピールしたい」と、開幕前に話した通り、主に1番~3番打者として6月末の時点で打率3割をキープ。さらに西武時代課題だった得点圏打率も3割を超え(7月8日時点で.333)。くふうハヤテの外野手にけが人が相次いだこともあって、デーゲームの連戦m点差が開いてもフル出場。それでいてビジターの長距離移動などもあり、「ミスショットが増えた感覚」と、7月2日のオリックス戦後には11打席連続ノーヒットと少し不調に陥り打率は.280となった。それでも、鈴木は試合後も球場に留まり、深谷亮司コーチの協力もあって居残りの打撃練習。感覚を取り戻すべくバットを振った。そうした中での迎えた阪神戦で2戦8打数7安打の大爆発で、たった1遠征で打率を2分上昇させてみせた。目下、安打数はウエスタンリーグトップの75安打。NPBへの移籍期間が7月末に迫るが、その道のりは平たんではない。去年誕生したくふうハヤテベンチャーズ静岡とオイシックス新潟アルビレックスBCの新規2球団からこれまで野手がNPBに復帰したケースはない。誰もなしえていない、厳しい挑戦なのである。
「そういう道を切り開いていく立場だと思うんですけど、焦りがないって言ったらうそになる。やれることだけやって、あとはもう吉報を待つしかない。けがとかでもし人がいなくなったときとかの補充もありますし、ここからの内容と結果は一段と大事になってくるかな」と鈴木。自身の原点静岡の地で奮闘し、もう一度あの舞台へ。背番号51が吉報を待っている。
