「母国マリでエステ事業を立ち上げたい」異例の若さで引退を決断しセカンドキャリアを歩む元アスリートの挑戦

 異例の若さで引退を決断し、セカンドキャリアを歩む元アスリートがいます。日本で学んだ技術を母国に持ち帰りたい。決断の背景には女性の夢がありました。

 静岡市内のエステサロンで働く、ひときわは目を引くこちらの女性。実は…。身長190センチ。西アフリカ「マリ共和国」出身の元バスケットボール選手のトラオレ・セトゥさん。

 所属チーム「CHANSON V-MAGIC(シャンソン・ブイ・マジック)」は、昨シーズン、国内のカップ戦で優勝! 選手としてこれからの活躍が期待されていましたが、異例の23歳という若さで、突然の引退を発表したのです。

●トラオレ・セトゥ さん:
「迷いました。すごく考えました」

 スカウトを受け中学3年生の時に単身来日。バスケひと筋で歩んできたセトゥさん。トップリーグのクラブから声がかかったとき、初めて自分の将来と向き合ったといいます。

●トラオレ・ セトゥさん:
「将来を見つけたいから。女性なのでバスケをずっと続けることはできないから早めに子どもが生まれる前に行動したいと思っている。」

 バスケが大好きとも語るセトゥさんですが、バスケ選手になる夢を叶えた今、“次は自分のライフプランを実現したい”そんな思いが、引退という大きな決断につながりました。

「母国マリでエステ事業を立ち上げたい」異例の若さで引退を決断しセカンドキャリアを歩む元アスリートの挑戦

 そして引退後すぐ、2025年6月からシャンソン化粧品の社員に。選手を辞めてなお会社に残るのは外国人選手としては初めてのことです。

● トラオレ・セトゥ さん:
「土日、暇あるときとか、携帯を見ずに練習をした。」

 日本語でエステの専門技術を学ぶのは簡単ではありません。入社当時のノートにはその苦労の跡も…。それでも、現役時代と同じように自主練を重ね、社内の認定試験に合格。バスケで培った手先の器用さを生かしたマッサージが得意技です。

●CHANSON V-MAGIC キャプテン 佐藤 由璃果 選手:
「手がほかの方より大きい。その手が大きい分顔を全部包んでくれる。優しくやってくれるのですごい気持ちいいです」

 セトゥさんの次なる夢は、母国マリでエステ事業を立ち上げ雇用を増やすこと。

●トラオレ ・セトゥ さん:
「日本にずっといるわけではないから、母国に帰って社長にもなりたい。すごく難しいこともあると思うが、自分がやることをしっかりやって、自分の将来に向かって頑張りたいと思っている」

「母国マリでエステ事業を立ち上げたい」異例の若さで引退を決断しセカンドキャリアを歩む元アスリートの挑戦
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