病院「異常事態」 学校「集団活動が多いので…」 季節外れのインフルエンザ流行 静岡
全国的にインフルエンザの感染者が増え、静岡県内も4年ぶりに注意報が発令されています。例年より早い時期の流行に医療機関や学校では対策を余儀なくされています。
おさだ耳鼻咽喉科(静岡・駿河区 27日)
「検査の綿棒でお鼻触りますよ。その位置にいてください」
診察開始直後から続々と行われているのは、インフルエンザの検査です。
「先生出ました。インフルエンザA型が出ました」
県によると、定点観測で届け出があった1週間あたりのインフルエンザ感染者数は10月、すでに注意報レベルの10人以上に達していて(16日~22日20.38人)、静岡県としては4年ぶりとなるインフルエンザ注意報が発令されています。また、10月初旬で注意報レベルに達するのは、2006年の統計開始以降、最も早い記録となっていて、今年は、季節外れの流行となっているのです。
こちらのクリニックでは、先週1週間で、およそ40人のインフルエンザ陽性を確認。現在は新型コロナ患者よりもインフルエンザの患者の方が多くなっていて、前の月と比較すると、すでに2倍以上の患者数になっているといいます。
新型コロナ:9月→209人/10月→25人
インフルエンザ:9月→37人/10月→76人(27日時点)
医師「こんなにはやったことは、今までなかった」
急激に患者が増えている現状に、病院側からもこんな声が…。
おさだ耳鼻咽喉科 臼倉洋子院長 :「こんなにはやったことは今までなかったので、夏から途切れず8月・9月も(流行が)あったというのは、今までなかった異常事態」
ここに来て急激に増えているのが「予防接種の予約」です。こちらのクリニックではインフルエンザの予防接種を例年よりも1カ月前倒しで行っていると言います。
おさだ耳鼻咽喉科 臼倉洋子院長:「昨年に比べると、流行は広がっていくのではないかと。特別なことは要らないので、コロナ時の対策と同じように手洗いとマスクと、今まで気を付けてきたことを冬に向かって、また気を付けていこうということで、過度に恐れる必要はないと思う」
インフルの猛威は教育現場にも
教育現場にも、感染拡大の懸念が広がっています。
静岡市清水区の市立清水入江小学校。こちらでは3週間前に全校児童およそ650人のうち50人が体調不良で欠席する事態に。2週間前にはインフルエンザによって、1つのクラスが今年度初めて学級閉鎖となりました。県内では9月4日から10月30日までに、インフルエンザによる教育機関での学級閉鎖が累計で456件発生していて、患者数は1万3000人を超えています。こちらの学校では、学級閉鎖は解除となりましたが、一部のクラスでは、まだ体調不良の欠席者が多発しているといいます。
静岡市立清水入江小学校 浦山恭子養護教諭:「集団で活動することが学校は多いので、体調不良者やインフルエンザなどがいた場合は、早めに情報を得て、感染が広がらない対応をしなければいけないと考えている」
この先、さらに感染拡大の勢いが増しそうななかで、県はワクチン接種や感染症対策の徹底を呼び掛けています。