江戸時代に東海道の宿場町として栄えた日坂宿 今地元出身の作家による一冊の小説で再び注目が 静岡・掛川市

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江戸時代、東海道の宿場町として栄えた日坂宿。いま、静岡県島田市生まれの直木賞作家の1冊の歴史小説により、再び注目が集まっています。

 掛川市の中心部から車で15分ほど。

 島田市との間の峠のふもとに日坂宿はあります。

 江戸時代、峠を越える前に休む往来客でにぎわい、当時の風情が残っている貴重な宿場町として知られています。

 いま、1冊の歴史小説によって再び日坂宿に注目が集まっています。

 その小説の名は「きらん風月」。

 日坂宿で絵画や小説をたしなんだ文化人・鬼卵が主人公で、日坂を訪れた堅物な政治家・松平定信と自由人な鬼卵の交流を通し、「文化のもつ豊かさ」を描きます。

永井紗耶子さん

 作者は島田生まれの直木賞作家・永井紗耶子さん。

 5月17日には掛川市を訪れ、抽選で選ばれた150人あまりを前に、江戸時代の掛川や日坂宿の歴史や魅力について語りました。

永井紗耶子さん
「東海道を旅する人にとって小夜の中山は一つの難所。実際に小夜の中山を歩いていると、なんとも創作意欲をかきたてられる。ここをじっと一人で歩いていたらいろんな想像が巡らせられたんじゃないかと」

永井紗耶子さん
永井紗耶子さん

高久書店

 掛川市の書店では、永井さんのコーナーも…。

高久書店 高木久直さん
「発売直後から掛川市民は多く訪れた。おそらくうちのお店だけで100冊程度の本が売れた。よく聞くのが、きらん屋さん見に行きたいな、(おおすか)鬼卵のお墓をお参りに行きたいな。それだけでなく、旧東海道の日坂宿を歩いてみたいなという反響をいただきました。」

高久書店
高久書店

掛川市長も

 講演会を訪れた掛川市長も日坂宿を盛り上げていくことに前向きです。

掛川市 久保田崇市長
「日坂宿は江戸時代には盛り上がっていた場所だが、今はさびれているような感じもある。舞台を聖地巡礼的に来られる方もこれからいらっしゃる。それが分かるようにするとか何か考えたい」

 歴史小説の舞台として再び脚光を浴びた日坂宿。

 地域の活性化につながるか注目されます。

掛川市 久保田崇市長
掛川市 久保田崇市長