夏の始まりを告げる静岡県函南町の特産品「函南西瓜」50年以上ブランドを守り続けている農家は…

暑くなると食べたくなるスイカ。生産者が減る中で、特産品を守り続ける農家を取材しました。
20日も各地で“真夏日”となった静岡県内。
最高気温が30℃を記録した三島市のお隣、函南町では…
栗田麻理アナウンサー
「午前7時半の函南町です。手元の温度計では28度とこの時間から真夏日一歩手前です。連日梅雨とは思えない暑さが続いていますが、そんな中、今旬を迎えているのがこちら、函南西瓜です」
火山灰を含む良質な土壌で育てられ、糖度は11度以上、シャキシャキとした触感が特徴の「函南西瓜」夏の始まりを告げる函南町の特産品です。
このスイカを作り続けて50年の田中勝直さん77歳。
20日朝も、大きく成長したスイカの収穫に汗を流していました。
トントントン
田中勝直さん
「違うら?これ中が空洞になっている。こういうの(高い音)が最高においしいよ」
栗田麻理アナウンサー
「空洞のは少し鈍い音がする」
“甘さ”が特徴の函南西瓜ですが、その秘密は地域性にあるようです。
田中勝直さん
「函南は6月7月前半ぐらいは日中は暑いけど夜涼しくなるからスイカに甘みがでる。天気が良ければ甘みが増します。雨ばかり降っていると糖度がのらなくなる。」
栗田麻理アナウンサー
「今年の梅雨は雨がほとんどないがスイカにとっては?」
田中勝直さん
「いい。病気も少ないし。雨が多いと病気になりやすいから。病気とかスイカに対してはこういう梅雨がないほうがスイカのためにはいい」
栗田麻理アナウンサー
「今年は最高の出来になりますね」
田中勝直さん
「できますね。」
今年は最高の出来だという函南西瓜。
そのお味は…
栗田麻理アナウンサー
「甘い。シャキシャキしている。糖度が11度以上とは聞いていたが想像以上に甘い。」

地域の特産品として愛される函南西瓜ですが、20年前には30軒以上いた生産者も、現在は8軒にまで減ってしまいました。
田中勝直さん
「さみしい…本当にさみしいねえ…」
栗田麻理アナウンサー
「大変な中でも続けている理由は?」
田中勝直さん
「消費者のみなさんにこの函南西瓜を食べてもらいたいという思いかな。それだからこのスイカ栽培をやめられない。東部でここしかないから、それを守る、それなりに頑張っていきたいと思いますよ」
季節の味を守る努力が、変わらない夏の味を今年も届けています。
