「大変だと思わないようにして頑張りすぎない」 若年性認知症の妻の介護を続ける静岡・函南町の男性の思いとは…

現役世代で発症する「若年性認知症」。妻の介護を続ける静岡県函南町の男性の思いとは。
認知症の人を支える家族の体験や思いに触れて、介護や地域での支え合いについて考えようと函南町が講演会を企画しました。
●高橋義弘さん:
「最初はなんか変だなとは思ってたんですけど、そのうちに毎日のように家の中、廊下を行ったり来たりして最終的には履いているスリッパがボロボロになっていました」
町内に住む高橋義弘さん(67)。妻が50歳ぐらいのときに若年性認知症と診断されました。
若年性認知症は65歳未満で発症するもので、2020年に発表された調査結果では全国に3万5700人いると推計されています。
●高橋義弘さん:
「私の妻が認知症だなんて思っていませんでした。最終的にはそれを受け入れていくしかないとは思いました」
高橋さんは仕事をしながら3人の子どもを育て、そして妻を介護をする日々を余儀なくされました。妻は認知症が進行するにつれ、自暴自棄になることもあったそうです。
●高橋義弘さん:
「1度だけですね(妻が)包丁を持ってきて『刺すぞ』って言われたことがありまして。さすがにその時は半身に構えました」
介護はおよそ15年にわたっていますが、デイサービスを利用したり色々な人に支えられたりしているそうです。
●高橋さんの友人(60代):
「明るいので見ての通り。そんなに苦労しているんだとびっくりしました」
講演の最後に介護をする人たちに向けて高橋さんが送ったメッセージは。
●高橋義弘さん:
「大変だなと思うと大事になっちゃうから、大変なんだと思わないようにして長いスパンがあるのであまり頑張りすぎないでやっていただきたい。それと息抜きは大切です」
