仕入れ価格は5年前の3倍に…苦しい台所事情の「ご飯おかわり無料の店」 お客さんの笑顔を見たいと無料継続中 静岡・富士宮市
飲食店にとっても、大きな悩みの種となっているコメ価格の高騰。こちらは富士宮市にある、定食屋「みんなのおかん。」
唐揚げ定食やチャーハンなど、メニューは100種類以上。中でも人気なのは、オリジナルのタレで味付けした、豚肉をたっぷり200グラム使った「しょうが焼き定食(880円)」です。
古賀りなアナウンサー:「お肉に甘辛いタレがしっかり絡んでいる。これはごはんが進む味です」

ご飯は「マンガ盛り」
しょうがのさわやかな風味も相まって、ご飯との相性は抜群。こちらの店、定食を頼むと、ごはんと味噌汁がおかわり無料なんです。ごはんのサイズは、300グラムの大から小まで3段階。大満足の味と価格を目当てに、県外からの観光客も。
富山県から40代:「ごはんが欲しくなるので、おかわりしました」
富士市民30代:「ありがたいことに、いつも2杯ぐらい食べている。サイズは初めに大を頼んで、2杯目に普通か大を頼む」

沼津市民20代
Q.この量はどう?
A.「マンガ盛りみたい。まだ食べ盛りなので、こういうサービス(おかわり)があるのはありがたい」

1日10キロの米
お客にとってはうれしいサービスですが、1日に使うコメの量は10キロ以上。
みんなのおかん。 渡辺美香さん:「20合を4回炊いたら10キロぐらいなんですね、お米で。それで足りないときもある。もう金土日とかは10キロじゃ足りない」
店を始めた5年前の仕入れ価格は、10キロ2700円でしたが、“令和のコメ騒動”によって、現在は7800円と3倍近くまで上昇しています。

小泉大臣が就任し、随意契約によって割安の備蓄米が放出され、お得さを維持するためにも購入を検討したそうですが…。
みんなのおかん。渡辺美香さん:「(仕入れ業者に聞いたら)ごめんなさい、今回はこういう規定で言われているので、売ることができないですって」
小売りの店頭に並べることを重視して始まった、随意契約による備蓄米の放出。
20日からは、外食・中食の事業者を対象とした申請の受け付けが始まりましたが、最低購入量の“10トンの壁”や、自前で精米することなどを考えると、現実的な選択肢ではありません。

みんなのおかん。渡辺美香さん:「私たち業者としてお米をとるのはやはりたくさん要る。そこでその業者さんが先に取ってしまったら、本当に一般のお客さんには渡らない。だから今回はもう涙をのむしかないと思っている」
それでも、お客の喜ぶ顔が見たいからと、おかわり無料は続ける考えです。そこには、大阪出身の渡辺さんならではの思いがありました。
みんなのおかん。渡辺美香さん:「やっぱり食べてほしい。そして笑ってほしい。笑顔になってほしいっていう思い。おかわりは申し訳ないと言っていただくけど、それは遠慮せず、ここに来たらもう大阪やから、食い倒れてください」
