コメを卸売り業者同士が直接取引する「スポット取引」の価格が急落 それが市場価格に反映されるのは…

加藤米穀 加藤英樹代表取締役
「一気に下がったなという感覚。暴落と言ってもいいんじゃないか。」
富士宮市にある、加藤米穀。
今後、備蓄米の販売も予定しています。
こちらで販売されているコメのおよそ3分の1は、JAを通さずに、卸売り業者同士が直接取引する“スポット取引”で購入したもの。
その“スポット取引価格”が今、急落しているといいます。
加藤米穀 加藤英樹代表取締役
「これが1カ月前、5月17日の売り物。例えば千葉のコシヒカリが4万9500円。それが、6月10日の時点で3万2500円。これぐらいまでだいぶ下がってきた」
去年10月時点で60キロ2万円台だったスポット価格は、今年に入って2倍近く跳ね上がり、2月には5万円を超えていました。
加藤米穀 加藤英樹代表取締役
「今までで考えられないような高値です」
スポット価格の上昇は、コメ価格の高騰をもたらした一因と考えられています。
それが、随意契約による備蓄米放出が決まったあと、急落しているのです。
加藤米穀 加藤英樹代表取締役
「やっぱり随意契約の備蓄米の影響でここまで下がったんだと思います。(店の)お客さんに聞いてみても、備蓄米を買いたい人と今までのおいしいお米を買いたいという人と半々ぐらい。その分の銘柄米が売れなくなるので、量も豊富になってくる。手持ちのお米を売ってしまおうとなって下がったのではないか」
一方で、スポット価格の下落はすぐに市場価格に反映されるわけではないそうです。
加藤米穀 加藤英樹代表取締役
「もうすでに高い状態で刈ってしまっている業者がほとんどなので、それがはけるまでは、しばらく赤字を切ってまで値下げすることはないのではないか」
加藤米穀でも、スポット価格が下がる前に8月までの在庫を仕入れていました。
高い価格で仕入れた以上、すぐに価格を下げることは難しいのです。
Q.いつスポット価格の下落効果が表れると思う?
加藤米穀 加藤英樹 代表取締役
「業者の手持ち在庫の数量に左右されるのではないか。7月中旬ぐらいからですかね、早ければ。もっと遅いかもしれないです」