小泉農水大臣が備蓄米の追加放出を表明　静岡・鈴木知事「一定評価するが…」　米店は期待　

　小泉農水大臣は１０日、備蓄米の追加放出を表明し、１１日から申し込みを受け付けると発表しました。新たに発表された備蓄米２０万トンの追加放出。

小泉進次郎農水大臣：「備蓄米が早く安く、消費者の皆さんのお手元に届くように、スピードを緩めずに対応していきたいと思います」

　一方で、静岡市のコメ店で販売が始まったのは、種類の異なる備蓄米です。

小田米穀　小田礼吾さん：「もうちょっと、これも早く来れば良かったんだけど」

　それでも、この週末の売れ行きは好調だったそう。次に期待を寄せるのは…。

静岡・鈴木康友知事：「非常にスピード感を持った対応で一定評価しますけど、あくまで備蓄米の放出は緊急的な措置ですので、流通も含めてこれからのコメに対する施策をどうしていくかが重要になってくると思いますので、そこは今後も注視していきたいと思います」

　鈴木知事も注視する小泉大臣の手腕。新たに１０日、打ち出したのが…。

小泉進次郎農水大臣：「新たに令和３年産１０万トン、２年産１０万トンの計２０万トンを売り渡すことといたします。令和３年産米が５キロあたり１８００円程度、そして令和２年産米は１７００円程度。こういった形なのではないかなと思います」

　新たに放出されるのは、２０２１年産の古古古米が１０万トン、そして、今回初めて出される２０２０年産の古古古古米が１０万トンです。販売する対象は、大手小売り、中小のスーパー、町のコメ店としていて、すでに一部店舗で販売を始めているコンビニも含まれます。

小泉進次郎農水大臣：「こちらの思い、目的としてはできる限りスピード感を持って店頭に並べたい。手をこまねいていたらどんどん外国産米が棚を占める。これは民間独自の動きでも出てるわけですから。我々が今なんとかして国産米離れ、そして消費者のコメ離れを防ぐ」

　小泉大臣が「無制限に出す」としている備蓄米ですが、限度はあります。政府が保有していた備蓄米は９０万トン。そのうち競争入札によって３０万トン、これまでの随意契約分で３０万トンが売り渡される予定で、あと２０万トン出せば、残りは１０万トンです。

小泉進次郎農水大臣：「過去の事例を考えますと、東日本大震災で４万トン、熊本地震で９０トン。こういったことがありますので十分対応できる水準だと思います」

　９日に発表された、スーパーのコメの平均価格は４２２３円で、２週続けて値下がりしました。２週連続での値下がりは、およそ半年ぶりです。

小泉進次郎農水大臣：「かなり強い手段をとっていかなければなかなか長引いている価格高騰のトレンドは変わらない。世の中のマーケットに対して明確な政治の意思が伝わることもこの結果を生んでいる一つだとすると、できる事は何でもやるということを改めてマーケットの皆さんにお届けしたい」

小田米穀　小田礼吾さん：「備蓄米になるんですけど、今言っている小泉さんの随意契約とはまた別の、もっと前のやつですね」
Ｑ．競争入札の？
Ａ．「そうですね、多少値段がちょっと高いですけどね」

　静岡市のコメ店でも、３日前から「備蓄米」の店頭販売を始めました。ただ、こちらは３回目の競争入札で放出された備蓄米。一般的な店頭価格３０００円台で販売されている、２０２３年産の古米です。

小田米穀　小田礼吾さん：「みんな一回備蓄米を食べてみたいってことで、結構お客さんが見えますね。なくなるのも早いです。思ったより早かったです。もうちょっと、これも早く来れば良かったんだけど」

　入札から店頭での販売まで、かかった期間はおよそ１カ月半。それでも、土日の２日間で、およそ１トン、５キロ換算で２００袋が売れたそうです。

　小泉大臣が備蓄米の追加放出を発表したことについては…。

小田米穀　小田礼吾さん：「正直言えば、備蓄米は古い方から出していった方が良かったんじゃないかという率直な意見はあるんですよね。あとはお店の方で売ってる令和６年産、一番新しいお米の方が高いから、そっちも在庫があるんで、ちょっとその辺は心配ですね」

　こちらでは、町のコメ店を対象にした随意契約に、５つの店舗で共同申請していて、今後、申請した１０トンのうち、５トンを販売する予定です。銘柄米と価格が異なる２種類の備蓄米が、一緒に店頭に並びます。

小田米穀　小田礼吾さん：「品ぞろえ的に、今これだけ話題になっている備蓄米があった方がいろいろ選べるので、この次に小泉さんの随意契約のコメが来て何種類かになるので、日本のコメでいろいろ食べ比べる選択肢が増えるのはいいかなと思っています」

　随意契約の備蓄米は６月中にも引き渡される見込みで、届いた当日にも精米作業に取り掛かり、販売を開始する考えです。価格は５キロ２０００円前後になる見込みです。

小田米穀　小田礼吾さん：「（入荷した備蓄米が）臭うとかもなくおいしかったので、自分が食べてみても、ちょっと期待しています。小泉さんの随意契約のお米も」