世界遺産の隣で2度目の『世界一』(前)…クラフトビール「早雲」が世界最高金賞 静岡・伊豆の国市「蔵屋鳴沢」
伊地健治アナウンサー:「伊豆の国市に来ています。私の隣にいるのがこちら、江戸時代の韮山代官「江川太郎左衛門英龍」さんです。江川担庵さんとしても知られていますけれども、後ろにある世界遺産「韮山反射炉」を作るように提案した地元の偉人であります。今回この場所で大きなニュースが生まれました」

2015年7月、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界文化遺産に登録された韮山反射炉。その隣にあるのが、世界一のクラフトビールを作った蔵屋鳴沢。蔵屋鳴沢は明治のころ、造り酒屋をしていました。観光業やお茶製造販売などを経て、1997年クラフトビールの醸造所「反射炉ビヤ」を立ち上げました。
伊地アナ「山田さん、お久しぶりです。この度はおめとうございます」
山田さん「お久しぶりです、ありがとうございます」
伊地アナ「2度目の世界一になったという事で驚きました」
山田さん「ありがとうございます」
こちらが「反射炉ビヤ」の醸造長、山田隼平さん。世界一を獲得したビール製造のリーダーです。

2023年は「ケルシュ」が世界最高金賞そして2年後の今年は「早雲」が
おととし(2023年)、イギリスで15年以上続く「WorldBeerAwards」という世界最大級の国際ビール品評会で、この「ケルシュ」が世界最高金賞を受賞しました。

(2023年10月)
伊地アナ:「口の中に残るちょっとフルーティーな香りがありますね」
爽やかな風味と心地よいのど越しが魅力の一杯。賞を取るために作り上げた限定品でした。あれから2年。
伊地アナ:「さっそく、見せてもらってもいいですか?2度目の世界一ですね。素晴らしいですね」
山田さん:「はい、ぜひ」
伊地アナ:「この一角に「反射炉ビヤ」が売っているんですよね。やっぱりクラフトビールがずらっとならんでいるんですが、今何種類ぐらいあるんですか?」
山田さん:「今24種類ですね」
伊地アナ:「24種類のビールを買う事が出来る。全部それぞれ味わいが違っったり、香りが違う、度数が違う事ですけれども」
山田さん:「今回2025年弊社の定番ビール「早雲」が世界最高金賞になりました」
伊地アナ:「早雲というんですか? ラベルが素敵ですね」

もともと蔵屋鳴沢では、頼朝・早雲・太郎左衛門の3つを定番商品として作り続けてきました。ちなみに早雲は、戦国時代初期伊豆をおさめた武将、北条早雲が名前の由来。3つとも伊豆ゆかりの人物の名前なんですね。
山田さん:「今回の早雲はアメリカンペールエールの部門での一位となります。ホップの華やかな香りが特徴となるビールになるので、そこが評価されて世界一となった形になります」

山田さんは今回この早雲が世界一になったことに大きな喜びを感じています。
伊地アナ:「じゃあ2年前の世界一よりさらにうれしいということ」
山田さん:「そうですね、作り続けてきたものが認められるというのは本当にうれしい限りです」

醸造場で見た「味のヒミツ」
では、さっそく作っている現場へ
伊地アナ:「懐かしい懐かしい。大きなタンクがたくさんあって…、ありましたここ!早雲と書いてありますね」
山田さん:「はい、まさにこの中でビールが早雲が発行しております。早雲のポイントとなっているのはホップで…。こちらがホップになります。これが実際のホップですね。軽い!全然、重さを感じない」
早雲で使われているホップのひとつ「モザイク」。
山田さん:「香り成分がこの中に含まれていまして、割っていただくとそうすると、黄色い粉ルプリンがある、ここに香りの成分が詰まっているので、今回のビール(早雲)のポイントになってくる」
伊地アナ:「うーんいい香り、ビールそのものという感じ、飲みたくなっちゃう。これ食べてもおいしいんですか」

ビールづくりには黄色い粉ルプリンを凝縮したペレットを使います。
伊地アナ:「本当だ、さっきのホップと同じ香りなんだけど、さらに凝縮されてる分、強く感じますね、あーいい香り」
前回金賞を取ったケルシュはドイツスタイルのビール。伝統的な味わいが特徴です。こちらはケルシュのペレット。香りを比べてみると…。
伊地アナ:「やっぱりこちらに比べると香りは強くないですね」
山田さん:「どちらかというと、植物のグリーンな感じの香りを感じられると思います。今回受賞したアメリカンスタイルのビールは鮮烈なフルーティーな香りを使う事が大きなポイントとなっています」
伊地アナ:「ホップだけでこんなに違いがあるんですね

10年かけて進化した味
早雲の誕生は10年前。実はその味は少しずつ、かえてきているんです。
伊地アナ:「今回金賞を受賞した限定ビールとは違う定番のビールですけれども、いつから作り続けてきたものですか?」
山田さん:「こちらの早雲は2015年から作り続けてきて10年目となる定番ビールとなっています」
伊地アナ:「なぜ、今金賞を受賞することが出来たのか?ずっと変えてこなかったのか?」
山田さん:「10年かけて少しづつ少しづつ改良を重ねて、先ほど嗅いでいただいたホップの品種を変えてみたり、投入するタイミングを変えてみたりとか、香りのボリュームを変えてみたり苦みのボリュームを変えてみたり、いくつもの改良を10年間かけて今回受賞という形になりました」
伊地アナ:「定番といえど、常に進化してきたという事ですね。これまでは出品しても取れない時もあった?」
山田さん:「中々10年間取れなかったけど、ようやくとれた」
山田さんにとって、この「早雲」で世界一をとれたのは、何にも代えがたい喜びでした。お酒好きの両親のもとで育ち、大学ではワインの醸造について学びました。さらに農業の勉強をしているとき、仕事終わりの一杯のビールの味が格別だったことから、クラフトビールの道へ。反射炉ビヤに10年前に入社しました。同じ年に誕生したのが早雲。まさに早雲と共に歩んだ10年でした。
