スキマバイトの「タイミー」と連携協定を結んだ静岡・磐田市の狙いは スキマバイト大活躍の現場 磐田市、掛川市

静岡・磐田市 草地博昭市長:「行政のインフラ維持管理は、なかなか人が、雇用という形だと集まらない。スポットワークとは、非常に相性がいいのではないか」

 3月、静岡県内で初めて、スキマバイトサービスを展開するタイミーと連携協定を締結した磐田市。4月から、市道などの草刈りや繁忙期の茶農家の手伝いなどで、どう人材を確保していくのか、サービス活用の検討と運用が始まっています。自治体が主導となってはじまったスキマバイトサービスの活用。その実情を取材しました。

スキマバイトの「タイミー」と連携協定を結んだ静岡・磐田市の狙いは スキマバイト大活躍の現場 磐田市、掛川市

伊地健治アナウンサー:「磐田市役所にやってきました。先月、スキマバイトサービスを展開するタイミーと連携協定を結んだ磐田市。その狙いは、どこにあるのでしょうか」

 県内初の取り組み。なぜ“スキマバイト”なのでしょうか。

伊地健治アナウンサー
伊地健治アナウンサー

背景に「労働力不足」

磐田市道路河川課主任 金子健太郎さん
Q.タイミーと連携協定を結んだ狙いは?
A.「市が行う、道路や河川のインフラ管理と農業者が行う農業。作業の迅速性や人材の確保。これらが困難な局面があります。これらを活用することで、課題を解決するというところを期待して、締結しました」

 背景にあったのは、労働力不足。例えば道路の場合、管理する市道の数は膨大になるため、スピード感のある対応は難しい状態です。また、高齢化や後継者不足に伴い農作業にも人手が足りていません。そこで、磐田市はまず、道路や河川の草刈り、そして、繁忙期のお茶農家の農作業で、スキマバイトサービスの活用を検討・実施していくことになったのです。3月にはさっそく、スキマバイトサービスへの登録を支援する説明会を開催。市内11のお茶農家が参加し、うち7軒が既に登録を済ませています。

磐田市農林水産課 河合高宏さん:「(サービスを使ってみて)これは人を集めやすいってなれば、またリピーターじゃないですけど、再度、仕事を出していただけると思いますし、登録した後の運用については、各農家さんに任せていく」

スキマバイトの「タイミー」と連携協定を結んだ静岡・磐田市の狙いは スキマバイト大活躍の現場 磐田市、掛川市

利用した茶農園は

磐田市 松下製茶場 松下公彦さん
Q.所有している茶畑
A.「そうですね、はい」
Q.かなり広いですが、茶畑の面積は
A.「約20ヘクタール、管理させてもらってます」

 ヤマハスタジアムのすぐ近くに工場を構える松下製茶場。明治時代から100年以上にわたり、お茶を作り続けています。そんな、歴史ある茶農園が今、力を入れているのが、抹茶の元となる「てん茶」の栽培面積を増やすこと。現在5ヘクタールある「てん茶」の栽培面積を倍の10ヘクタールにまで、増やそうとしているんです。

松下製茶場 松下公彦さん
Qてん茶の栽培面積を増やそうとしている理由は?

A.「世界的な抹茶需要が旺盛だということで、それに対応していこうということで。茶商さんからも『(抹茶を)作ってくれないか』というお話もありますし、農家にまで直接、海外のバイヤーさんが問い合わせてくるくらい」

スキマバイトの「タイミー」と連携協定を結んだ静岡・磐田市の狙いは スキマバイト大活躍の現場 磐田市、掛川市

 てん茶を栽培する際、必要不可欠なのが、お茶の木に、寒冷紗と呼ばれる、布をかぶせる作業。布で日光をさえぎることで、抹茶を鮮やかな緑色にすることができます。また、渋みが減り、うまみ成分がより多く生成されるそうです。ところが、この布をかぶせる作業には人手が必要。そこで今回、市のサポートを受け、初めてスキマバイトの募集をかけたんです。

松下製茶場 松下公彦さん
Q.タイミーで募集をかけた理由
A.「(お茶の木に布を)かぶせたいタイミングで人が欲しい、というところが今、最大の理由で、使わせてもらってる」

 松下さんいわく、布をかぶせる作業はタイミングが命。お茶の出来を左右するといいます。急に募集をかけても人を集められるというサービスに、期待しているそうです。

スキマバイトの「タイミー」と連携協定を結んだ静岡・磐田市の狙いは スキマバイト大活躍の現場 磐田市、掛川市

タイミーで応募した人は

 朝7時前。製茶場の前には、この日行う作業のために集まった人たちが。そこには、タイミーをつかって応募してきた人も。スキマバイトで働く2人に与えられた作業は…。

松下さん:「これ(寒冷紗)を広げていくんですけど、広げてった後に、この、洗濯ばさみついてるじゃないですか、あれで枝に止めていく」

 お茶の木にかぶせた布、寒冷紗が、風で飛ばないように固定する作業。初めての茶畑での作業、スタートです。

磐田市 40代会社員(タイミーで応募 お茶畑での作業は初めて)
「今のところ、枝を見つけるのが難しいんですけど、引っ張っても(洗濯ばさみが)取れない枝」
Q.安定している枝を見つけるのが難しい?
A.「はい」

松下さん「どうです?大丈夫?」
A.「はい、大丈夫です。枝を見つけるのが…」
松下さん「ね」

風で飛ばないように固定
風で飛ばないように固定

 最初は慣れない作業に戸惑いも。しかし、徐々に慣れ、作業ペースも上がっていきます。

磐田市 40代会社員(タイミーで応募 お茶畑での作業は初めて)
Q.慣れてきた
A.「そうですね、だんだんコツをつかんできました」

 そして昼前、作業は終了。4時間ほどのスキマバイトとなりました。

磐田市 50代会社員(タイミーで応募 お茶畑での作業は初めて)
「こういう行程をね、やってたの知らなかったので、すごく勉強になりました。機会あれば、またやってみたいなって思いました」

磐田市 40代会社員(タイミーで応募 お茶畑での作業は初めて)
「あっという間だったんですけど、生産者さんの、お茶に対する気持ちとかもわかって、すごい、いい経験をさせていただきました」

松下製茶場 松下公彦さん
Q.タイミーを実際に初めて使ってみて
A.「もうすごい助かって、作業もはかどりましたし。5人10人くらいは集まるけど、あと何人が足りない。その部分でタイミー使わせていただければ、今後助かる」

スキマバイトの「タイミー」と連携協定を結んだ静岡・磐田市の狙いは スキマバイト大活躍の現場 磐田市、掛川市

掛川でもスキマバイトが大きな力に

 農業にとって“新たな労働力”として期待されるスキマバイト。動きは県内でも広がっています。農業の新たな担い手として注目されているスキマバイト。次に向かったのは掛川市です。

伊地健治アナウンサー:「掛川市にある茶畑。そして茶業組合のある場所に来ています。きょうこちらでは、茶畑の上に黒い布をかぶせる作業が行われる、ということなんですけれども、作業する人たちが、続々と集まっています。中には、スキマバイトサービスに応募した方々も含まれているということです」

 まさに今年から、抹茶の栽培に力を入れはじめたというこちらの組合。この春、抹茶の加工が行える生産ラインも、新たに立ち上げました。

掛川城南茶業組合 鈴木俊己さん
Q.タイミーで募集をかけた理由は?
A.「てん茶の生産を増やしていくことになって、同業者の方から、タイミーは結構求人の募集が来るよってことを聞いたものですから、それで初めて使ってみました」

スキマバイトの「タイミー」と連携協定を結んだ静岡・磐田市の狙いは スキマバイト大活躍の現場 磐田市、掛川市

 この日の作業のため、組合では20人を超えるアルバイトを集めました。うち5人は、タイミーで募集をかけ、やってきた人たちです。

磐田市民20代
Q.応募した理由は
A.「自然が好きなんで、そういった形で働けるので選びました」

Q.タイミーを使う理由
A.「好きな時に働ける」

袋井市民20代
Q.応募した理由は
A.「募集要項にレアバイトって書いてあって。なかなか、こういう機会ってないと思うので貴重だなと思って」

掛川市民70代
Q.応募した理由
A.「新しい世界、知らない、サラリーマンじゃない、そういう社会勉強もありますし、楽しい」

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作業を体験した伊地アナは

 作業を行う茶畑に到着。今回、伊地アナも、お茶の木に布をかぶせる作業を体験しました。

掛川城南茶業組合 角皆一弘理事長:「上から(青い棒を布に)刺してもらって、(青い棒に)ギザギザがある」
伊地アナ「ホントだ、ここだ」
角皆理事長:「ここまでギューッと、ちょっと固いですけど…」
伊地アナ「土に押し込む?」
角皆理事長:「そうそうそう」

 茶畑に布をかぶせ、その布の端に青い棒を刺し込んで、布同士をつなげて、その棒の両端を土の中に押し込みます。きょう私が手伝うのは、風が吹いても布がはがれないようにする作業です。

伊地アナ「面白い作業ですね、これ。これを20日間、やらないといけないんですって」

伊地アナ「ちょっと楽しくないですか?」
「そうですね、今のところは…」

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いつの間にか口数も減り…

 始めのうちは余裕でしたが…。

 伊地アナ、いつしか口数が減っていきます。

伊地アナ「最初簡単そうに見えて、結構骨の折れる作業です。お抹茶を作るって、大変なんだなって思いました。スキマバイトがね、(てん茶栽培に)ものすごくマッチしてるな、というのがわかりました」

 夕方からの番組出演に備え、私はここで現場を後に。タイミーから来たみなさんの作業は夕方まで続きました。

スキマバイトの「タイミー」と連携協定を結んだ静岡・磐田市の狙いは スキマバイト大活躍の現場 磐田市、掛川市

タイミーを見て応募してきた人たち
袋井市民20代
Q.作業をやってみて
A.「手がめちゃくちゃ痛いのと、あと、体がやっぱりめちゃくちゃ疲れてます。貴重な体験ですからね、茶畑に立つってこと、なかなかないと思うので」

掛川市民70代
Q.作業をやってみて
A.「茶畑も見ることは見てますけど、実際に中に入って仕事するのは
初めての経験だったので、面白かったです」

スキマバイトの「タイミー」と連携協定を結んだ静岡・磐田市の狙いは スキマバイト大活躍の現場 磐田市、掛川市

掛川城南茶業組合 鈴木さん
Q初めてタイミーを利用してみて
A.「来ていただいた方も、楽しくやっていただいたので、うちとしても仕事が進んだので、よかったなと思います。(スキマバイトサービスは)本当に助かります。自分たちの工場でもそのてん茶製造ということを取り入れた中で、人を雇用してもう少し製造量を増やしていくということも考えていってます」

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