「線状降水帯」「記録的短時間大雨情報」…台風15号で大きな被害 牧之原市には国内最大級の竜巻も 静岡
林輝彦アナウンサー(5日):「静岡県に線状降水帯が発表された。JR静岡駅の前にいるが、すごい量の雨が降っている。雨が体に当たると痛い。周りの音がほとんど聞こえない」

掛川市~時間雨量120ミリ
5日、静岡県を直撃した台風15号。その影響で、各地に線状降水帯が発生。気象庁は、非常に激しい雨が降り続くとして、「記録的短時間大雨情報」を相次いで発表しました。1時間に、およそ120ミリの猛烈な雨を観測した掛川市。
片山恵介カメラマン(5日午後1時ごろ):「JR掛川駅前です。道路が冠水して自動車が動けないような状況」
車のタイヤが見えなくなるほど冠水し、まるで川の中を進むように波打つ様子が確認できます。他にも、牧之原市付近や島田市でも120mmの雨が降りました。浜松市では、80代の男性が水路に転落。男性は6日、浜名湖で発見されましたが、死亡が確認されています。

牧之原市~竜巻発生
そして、県内では大雨だけでなく、竜巻とみられる突風被害も相次いで発生しました。牧之原市では、何本もの電柱が根元から折れ、数十メートルにわたって道をふさいでいました。

こちらは、突風が発生した時間帯に撮影された映像です。地面から巻き上げられたものが、渦を巻くようにして舞っている様子が映っています。

能地優アナウンサー:「牧之原市細江の上空です。トレーラーが横転しているのがわかります」
牧之原市の細江地区では大型トレーラーが横転。住宅などにも甚大な被害が出ました。
能地アナ:「画面中央、屋根がはがれてしまっている建物があります。骨組みだけになってしまったビニールハウス。そのビニールがどこにあるかさえ確認できません。瓦がはがれてしまっています。建物の側面も損壊しています。住人でしょうか。散乱しているものを拾っている様子が見えます」

屋根がなくなった住宅や、壁がはぎ取られた建物が多く見られ、吹き飛ばされたのか、裏返しになった軽自動車や小屋のようなものも。

一夜明けた6日、徐々に被害の全容が明らかになってきました。
嶋田光希アナウンサー(牧之原市 6日):「あちら、かなり危ないですね、住宅の屋根でしょうか、大きな木の板が電柱の高さ10メートルくらいのところで引っかかってしまっています」

「怖かった。死ぬかと思った」
牧之原市によると、市内の住宅被害は1004棟に及び、4人の重傷者を含む24人がけがをしたということです。屋根が飛ばされる被害にあった住民は。

被災者:「まさか自分の家、この辺がやられるとは思ってもみなかった」
被災者:「もう怖かったです~。恐怖でした。死ぬかと思いました」
家の中は、突風により割れた窓ガラスが散乱し、2階の天井は雨水の重みでひしゃげていました。

被害にあった住民:「一瞬のことで何が何だかわからなくて、死ぬかと思った。バーンって飛んで…。扉も全部外れちゃった。怖かった。やってもやってもガラスの破片がすごいですよ」
今後について、不安が付きません。
被害にあった住民:「どうしようかね、考えています。2人で助かっただけでみんな頑張ろうねって、近所の人で言い合って、頑張ろうって」

林アナ:「2階が造園会社の事務所だというこちらの建物、剥がれ落ちた壁などが瓦礫と化しています」
地元の人の手を借りながら、社員らが片付け作業に追われていました。
植真 太田真光さん:「5秒から10秒、一瞬、そんなものだと思うけど、それこそダイナマイトでも投げられたかのように、みんな吹き飛ばされた。頭やら背中やら足やら、そこら中にモノがぶつかってきたので、体中が痛いというか何がどうなっているか全然わからなかった」

社員は無事でしたが、建物のほか、資材が入った倉庫が飛ばされるなどしており、被害額は200万円以上になるといいます。
植真 太田真光さん:「まず電気の復旧を早急にお願いしたい。一日でも早く片付けして、常時の仕事に戻りたい」

災害廃棄物が山のように
進士陸斗記者:「静波海岸にある災害廃棄物の仮置き場に来ています。台風や突風の被害で使用できなくなってしまったものが一カ所に集められ、山のようになっています」

牧之原市は、静波海岸の駐車場に災害ゴミ置き場を設置したほか、榛原庁舎で被災した市民を対象にブルーシートを配布。他にも、給水所の開設や、スマホ・携帯の充電場所を用意しています。
ブルーシート受け取った人:「物置小屋の屋根が飛ばされたのでそこの養生と、母屋も使う可能性があるので。もう少し雨戸を閉めるとかしてあれば、被害を押さえられるかと思った。木曜日くらいに雨が降る可能性があるということで、かけておこうかなと」

支援の輪も
こちらには、支援の輪が広がっています。
子ども:「最高っす!暖かくて気持ちよかったです」
市内にある「さがら子生まれ温泉会館」は7日、被災した人を対象に温泉を無料で開放しました。
利用者:「きのう冷水シャワーだったので、暖かいお風呂で体を休めるのはありがたい」
Q.暖かいお風呂はいってどうでした?
A.「きのう電気も止まって夜真っ暗。お風呂も入った気がしなかったから、子生まれ温泉でゆっくり暖まるのは感謝しています」
一方で、牧之原市と吉田町では、合わせて1万戸以上の停電が続いています。
(9月7日放送)
