8年間放置した別荘が“年商1000万円超”に! 浜名湖で始まった空き別荘再生プロジェクトがすごかった
嶋田光希アナウンサー「今月から予約が始まった、こちらの宿泊施設。BBQもできるウッドデッキに、広々とした2階の寝室からは浜名湖ビューという、非日常が味わえる、豪華な一棟貸しヴィラですが、実はここ、元々は“空き別荘”なんです」
使わない別荘が増加…オーナーを悩ませる“空き別荘問題”
空き別荘とは、所有者の高齢化や世代交代などを理由に、長期間使用されていない別荘のこと。全国の別荘は38万戸以上あるとされ、そのおよそ1割に当たる3万8000戸以上が静岡県にありますが、それらが空き別荘になり、老朽化が進み管理が行き届かなくなると、倒壊のリスクや防犯面での心配、景観への悪影響など、さまざまな問題が。こうした問題は、別荘を所有する人にとって、大きな負担となっています。
空き別荘を所有する人「8年ほど前から別荘に行く回数が減った。使っていなくても固定資産税などの金銭的負担や、台風が来た時には、建物が心配になるなど、心理的負担もあった」
浜名湖に広がる別荘地 放置物件をどう生かす?
浜松市の観光地、舘山寺にある別荘のオーナーが漏らした懸念。この別荘がある浜名湖周辺では、平成初期のリゾート開発などによって、多くの別荘が建てられましたが、現在は利用されていない別荘も多いエリアです。こうした実情を背景に、動き出したのが、宿泊事業やリノベーション事業を手掛ける「スズヒロ」。空き別荘を宿泊施設として再生する取り組みを始めました。
スズヒロ 古橋啓捻代表:「最初は賃貸で貸しに出したいと相談を受けた。不動産の価値をいかに上げるかという思いがあり、それであれば、私たちの持っている、宿泊の運営・リノベーションのノウハウを掛け合わせて、何か力になれることがあるのではと思ったのがスタート」
この取り組みの第1号となったのが、先ほどの舘山寺の物件。去年4月に改修を始めました。
壁紙と家具を一新 五右衛門風呂で“非日常”を演出
嶋田アナ(案内してもらう)「変えた部分は?」
古橋代表「基本的にはこちらの建物はクロス(壁紙)だけ変えて、あとはインテリア。使い勝手が良いものというよりは、「こういうのを使ってみたかった」という家電を用意することで、来て良かったと思ってもらえる」
建物の造りは大きく変えず、家具や家電を一新。さらに…。
嶋田アナ「五右衛門風呂ですか!?」
古橋代表「五右衛門風呂を造ってみたかったという、物件のオーナーからの提案。五右衛門風呂に1番お金をかけて、売りにしていきたいという思いで造った」
露天風呂を増設し“非日常感”を味わえる空間に。こうして、使われていなかった空き別荘は、およそ6カ月かけ一棟貸しの宿泊施設として生まれ変わりました。
空き別荘を所有する人「使っていなかった別荘が、こうして新たに利用されるようになって、本当にありがたい。きれいになった別荘を見て、自分もまた泊まりに来たいと思えるようなった」
予約・清掃も丸ごと代行 オーナーの負担を軽減
特に魅力的なのが、建物の改修だけでなく、予約の受付や清掃などの運営まで、一括で任せられる点。実際にこちらの施設は、去年の12月に貸し出しを始めると、9月までの10カ月間で、97組、105泊の利用があり、売り上げは1000万円以上に上りました。
宿泊客800人超 地域に生まれる新たなにぎわい
スズヒロ 古橋啓捻代表:「かなり人気の宿で、年末は既に予約がいっぱい」
利用者は延べ800人以上。宿泊客が周辺で食事をしたり、観光したりするケースも多く、新たな人の流れが生まれていると言います。そして10月、この取り組みの第2号として誕生したのが、「UMI&mikkabi(ウミトミッカビ)」。浜名湖を望む一棟貸しヴィラとして、新たな宿泊客を迎えます。
目標は3年で10棟 浜名湖観光の新たな起爆剤へ
一方、空き別荘を宿泊施設として再生するのに、ネックとなるのが費用面。建物の改修と家具家電の新規購入で、1棟あたり800万円から1200万円の費用がかかりますが、順調にいけば3年ほどで採算が取れるといいます。
スズヒロ 古橋啓捻代表:「私たちが民泊として活用させてもらい、オーナーには収益を還元させてもらいながら、浜名湖の魅力的な宿に泊まってみたいという人を増やし、最終的には浜名湖観光を盛り上げたい」
目標は、今後3年間で、浜名湖周辺の別荘10棟を宿泊施設として再生すること。この取り組みが、課題解決のみならず、地域のにぎわい創出の一助となるかもしれません。