黒酢の深いコクと甘み、20年愛される酢豚 藤枝市「中国料理 彩桜」

 広東料理の定番を大切にしながら、旬の食材にも中華の技を生かす藤枝市泉町の「中国料理 彩桜(さくら)」。開店以来20年、1番人気を集めているのが「国産豚肉と野菜の黒酢スブタ」だ。
 国産豚の肩ロースは、唐揚げを作るように油で揚げ、野菜も揚げてから黒酢だれを絡める。豚肉の表面はカリッと香ばしく、中にはジューシーな肉のうまみを残す。味の決め手となるのは、中国の黒酢に日本の酢やハチミツなどを合わせた自家製のたれ。黒酢特有の濃厚なコクと酸味を、しっかりとした甘さが包み込む。副菜4種類とスープ、ライスまたは白粥が付く、食べ応えのあるセットだ。

国産豚肉と野菜の黒酢スブタ(2618円)
国産豚肉と野菜の黒酢スブタ(2618円)

 白粥を選んだときに注目したいのが、副菜の「鶏のしぐれ煮」。鶏ガラスープと干し貝柱でだしを取った白粥には、新潟の生産者から直接届く米を使っている。穏やかなうまみを含んだ白粥に、山椒を利かせたしぐれ煮を添えれば、ピリッとした辛さが味のアクセントになる。主菜の黒酢酢豚だけでなく、副菜と白粥の取り合わせにも中華ならではの工夫が息づく。

白粥と鶏のしぐれ煮の組み合わせは鉄板
白粥と鶏のしぐれ煮の組み合わせは鉄板

 ディナーに時折登場する「牛バラ肉の煮込みあんかけご飯」は、広東料理の古典的な味を伝えるメニュー。牛バラ肉の表面を焼き、花椒、八角、桂皮、陳皮などの香辛料と一緒に煮込む。味付けはしょうゆとオイスターソースが基本。肉が崩れるほどやわらかくなりすぎず、かといって硬さも残さない、ちょうどよい加減に仕上げる。甘じょっぱい味の奥から芳醇な香りが立ち、肉のうまみを引き立てる。提供を心待ちにする客もいるという。

牛バラ肉の煮込みあんかけご飯(2398円)※期間限定
牛バラ肉の煮込みあんかけご飯(2398円)※期間限定

 「よだれ鶏」は、やわらかくゆでた鶏肉と、複雑に組み立てた辛いたれを味わう。たれには熟成度の異なる数種類の豆板醤を使い、ゴマのペースト、黒酢、ラー油、さまざまな香辛料を加える。豆板醤の辛さと花椒のしびれに、ゴマのコクや黒酢の風味が重なり、刺激の中にも厚みのある味が広がる。やわらかな鶏肉にたれがよく絡み、あとを引く辛さに仕上がっている。

よだれ鶏(1078円)
よだれ鶏(1078円)

 歩みを重ねて20年。昔ながらの広東料理を求める客を迎えながら、旬の食材にも目を向け、その時々の味を届けてきた。変わらない定番と、次は何に出合えるのかという楽しみ。その両方が、店の扉を再び開きたくなる理由になっている。

黒酢の深いコクと甘み、20年愛される酢豚 藤枝市「中国料理 彩桜」

中国料理 彩桜
住所:藤枝市泉町774-7
電話番号:054-636-7572
定休日:月曜日・不定休
営業時間:11:30-14:00 (L.O.13:30) / 17:30-21:00 (L.O.20:30)
Pあり