大井川鉄道の一部区間で1年ぶりに運転再開「汽笛が戻ってきた」
静岡県の大井川鉄道の一部区間でおよそ1年ぶりに運転が再開され待ち望んでいた 鉄道ファン観光の関係者から期待の声が聞かれました。
伊地健治アナウンサー 去年9月
「崩れたその先を見てみますと、この下には大井川鉄道の線路が走っているんです。その線路も土砂によって完全に埋まってしまっています」
去年9月の台風15号によって、大きな被害を受けた大井川鉄道。
一時は、大井川本線、井川線の全線で不通となりました。
その後、井川線と、大井川本線の金谷駅から家山駅までの区間では運転を再開。
1日運転を再開したのは、家山駅から川根温泉笹間渡駅までの
2.9kmの区間です。
まだ薄暗い、午前6時前から熱心な鉄道ファンが、「一番列車」を待っていました。
乗客(東京都から):
「昨日は東京から来まして、昨晩は家山に宿泊しました。輝かしい一番列車に乗れると思うだけでもう胸が…大変うれしく思っています」
運転士:
「全線の再開はまだなのですが社員一同川根温泉笹間渡までの列車の運行を努力していきますのでよろしくお願いします」
大井川鉄道 広報 山本豊福さん:
「わずか2.9kmの復旧・延伸でも(金谷―千頭の)半分まできたということにおいては、距離は短いのかもしれないけれど大きな一歩。節目の一日になる」
「午前6時36分です、川根温泉笹間渡駅から列車が出発していきます」
川根温泉ふれあいのいずみ
今回、運転再開となった2.9kmの区間には、「大井川第一橋梁」と呼ばれる鉄橋があります。
鉄橋の近くにある日帰り温泉施設は、今回の運転再開を待ち望んでいたといいます。
川根温泉ふれあいのいずみ 三浦俊夫支配人:
「我々の温泉の売りの1つに露天風呂があり、そこからSLが見える露天風呂とPRしているが(SLの通過が)1年間全くなかった状況。
(運行再開は)待ちに待ったというのが実感」
「大井川鉄道の観光に対する影響の大きさと観光というのは いち施設 いち地域ではなくて(島田市と)川根本町を含めた広域的なものがあって初めて観光が成り立つと実感しています」
再び走り出した大井川鉄道。
ただ、川根温泉笹間渡駅から千頭駅までの19.5kmの間は、
現在も復旧のめどは立っていません。