液状化現象で壊滅的な被害…「地区から離れないと」 住宅の危険度調査始まる【被災地ルポ/石川・内灘町】
能登半島地震では、地震によって地層自体が液体状になる現象、いわゆる液状化の被害も確認されています。石川県内灘町では被災した住宅の危険度調査が17日から始まりました。
片山真人アナウンサー(17日)
「地震による液状化の爪痕が残る内灘町。朝から委託を受けた業者が入り、建物の傾きなどを調査している」
震度5弱の揺れを観測した「内灘町」。地震のあと、液状化現象が起こり、町は壊滅的な被害を受けました。道路は大きくひび割れ、盛り上がっています。駐車場の車はタイヤが見えなくなっています。
被害があった住宅に倒壊などの危険はないのか。きのう、行われたのはその「危険度調査」です。赤は「危険」、黄色は「要注意」、緑は「調査済み」を示しています。
石川県建築士事務所協会スタッフ
「もうかなりひどくやられていると感じる。電柱もみんな傾いているし、地盤の特性なのか、少し離れたところに行くとそうでもないが、この地区は特にひどい気がする」
「要注意でも住めないでしょ」
調査を受けた住民は…。
倒壊の危険がある家の住民
「『赤』でした。もう半分諦めてましたから。これじゃ住めないと思って。残念だけど、この地区から離れないとだめかな…」
今は別の場所に住む子どもの家に身を寄せているという高齢女性。行き場のない思いを口にします。
住民
「『黄色(要注意)』でも住めないでしょ。もう私も後期高齢者だから、外観も中も最悪の状態だから、何を悪いことしたんだろうという感じですけど…」
液状化…盛り上がった地面
内灘町を襲った液状化。揺れが発生した直後、地面が大きく波打ち、地面が盛り上がります。
ゆっくりとした揺れが数分ほど続いた後…。濁った泥水が道路を覆い始めました。
歪み、変わってしまった道路。
宮前建設 金田稔治さん
「地盤がせり上がってしまい、建物ごと20cmほど移動してしまった」
地震から2週間以上経ちますが、町は地震発生時のままです。
ガレージに駐車していた車も。地面が盛り上がってしまい、車は浮いています。動かすのは困難な状況です。
3階建てのビルは1階部分が沈み、エントランスは半分ほどしか見えていません。
自宅が傾き「扉が自動ドアに…」
こちらの男性の自宅も大きく傾きました。
男性:「(扉が)ひとりでに開いていく。自動ドアになっているところもあるし」
今後は県と町が3日かけて調査を行い、建物の被害状況を把握するということです。