【混乱】盛り土搬入に牧之原市が苦言 県が計画を白紙撤回 どうなる土砂の受け入れ 静岡県
静岡市葵区の山間部に違法に造成された盛り土について、撤去した土砂の受け入れ先を巡り、静岡県と牧之原市で議論になっています。
宣言:「ただいまより行政代執行法第2条の規定に基づき、行政代執行を開始いたします」
静岡市葵区の山間部に違法に造成された盛り土。
この盛り土を巡っては、造成した業者が県に原状回復に向けた計画書を提出しましたが、県は「計画書は応急的な対応で、原状回復する内容とはなっていない」と判断。盛り土を搬出するため、去年11月、行政代執行に踏み切りました。
牧之原市「県から相談がなかった」
しかし、撤去された土砂の受け入れを巡り、県と牧之原市の間である問題が。
県は、土砂を搬出するための仮設道路を作るなど準備作業を終えていて、1月下旬からおよそ5万1000立法メートルの土砂のうち、汚染物質が含まれていない約1万立方メートルを牧之原市の民間処分場に運ぶ予定でした。
しかし、土砂の受け入れ先である牧之原市の杉本基久雄市長が。
牧之原市 杉本基久雄市長:「牧之原市内の民間残土処分場に処分したいという話があったのは、地元の区長さんからそういう話があるけど市長聞いているっていうことで、聞いていないと」
牧之原市の杉本市長は「県からは事前に土砂の受け入れについて正式な相談がなかった」と苦言を呈したのです。
「スピード重視で民間処分場を選定した」
これについて県の担当者は。
県の担当者:「土砂が崩れた先の下流に住宅があり、早めに住人の安全を確保したいという観点から、スピード重視で大量の土砂を引き取ってくれる民間処分場を選定した」
牧之原市「残土処分場への処分はやり場所がないケースに限る」
ただ、この民間処分場についても杉本市長からは。
牧之原市 杉本基久雄市長:「残土処分場に処分するのは、どこにもやり場所がないというような、色々な手続きを取った中で最終的に残土処分場へ処分するというのが基本ですよという」
牧之原市は県の土砂の処理方針に従えば、公共事業などでの利用を検討する前に、牧之原市の民間処分場へ搬出するべきではないと指摘。この指摘を受けて県は15日、杉本市長に対し、搬出計画を白紙に戻したことを伝え、新たに公共事業で利用が出来ないか、小口の引受先なども含め検討するとしました。