国内唯一「原子炉本体の解体作業」初公開 処分先決まらない「低レベル放射性廃棄物」の管理は? 中部電力浜岡原子力発電所

浜岡原発の2号機では、3月から国内で唯一、廃炉に向けた原子炉本体の解体に着手しています。中部電力は今回、その様子を初めて公開しました。
浜岡原発1号機と2号機では、2009年度から廃炉に向けた解体作業を行っています。中部電力では2042年度までを目標に4段階に分けて作業を続けています。今回は1号機と2号機の解体作業が公開されました。
1号機は「原子炉周辺の解体撤去」
まずは1号機です。この建屋では現在、第2段階となる「原子炉周辺の解体撤去」が行われています。
大野裕輝記者「防護服に着替え、放射線の管理区域に入りました。ここは1号機のタービン建屋で、現在は低圧タービンの解体作業が行われています」
1号機は年内にも原子炉本体を解体する第3段階に移行する予定としています。

2号機の原子炉本体の解体作業を初めて公開
そして、今回初めて公開された原子炉本体の解体作業です。
大野記者:「窓越しに見えるのが、廃炉措置の第3段階にあたる作業です。原子炉圧力容器の上ぶたを分割していて、この作業は全国でも浜岡原発のみ行っています」
作業は3月17日に始まり、浜岡原発は国内で唯一、原子炉本体の解体に着手しています。作業には「大型バンドソー」と呼ばれる、いわば電動ノコギリが使われていて、1分に1ミリずつ切断されています。タービンや発電所も同じように解体されていて、放射線レベルを2度測定し、国の認可を受けると一般の廃材と同じように再利用が可能となっています。

処分先が決まらない「低レベル放射性廃棄物」
しかし、解体が始まった原子炉圧力容器などから出る廃棄物は「低レベル放射性廃棄物」として扱われ、再利用ができません。これらは処分先が決まっておらず、現在検討が進められています。
現在は1号機・2号機の建屋内に保管することになっていて、中部電力は、これらを厳重に管理することで解体を進めることが可能と考えていると説明しています。
中部電力浜岡原子力発電所 堀正義専門部長:「作業員の被ばくも含めて、作業安全には十分な配慮が必要」
Q.今後どのように進めていく?
A.「(第3段階作業の)先陣を切っているが、まずは中部電力の実績を基に、展開もしっかりしていきたい」
中部電力では1号機・2号機の原子炉本体の解体撤去を2035年度までに完了し、建屋などの解体へ着手する計画です。
