関税政策をめぐる2回目の日米協議が終了 交渉カードとしてトウモロコシなどの農産品の輸入拡大も 静岡県内の畜産農家は… 

トランプ政権の関税政策をめぐる2回目の日米協議が行われました。静岡県内でもその行く末を注目している人々がいます。

「赤沢大臣を乗せた車両です。赤沢大臣、これからベッセント財務長官との関税をめぐる協議に臨みます」

 日本時間、午前6時ごろからワシントンで開かれた、トランプ関税をめぐる日本とアメリカの2度目の協議。

 複数の政府関係者によりますと、今回の協議では“交渉カード”として、大豆やトウモロコシなどの農産品の輸入拡大や、アメリカから輸入する自動車の優遇措置の拡大などが検討されていました。

 交渉は2時間余りにわたりました。

2回目の日米協議
2回目の日米協議

赤沢経済再生担当大臣

関税交渉担当 赤沢経済再生担当大臣
「今回は非常に突っ込んだ話ができました。詳細は差し控えますが、例えば両国間の貿易の拡大、非関税措置、経済安全保障面での協力などについて具体的な議論を進めることができました」

 改めて関税措置の見直しを強く申し入れたとした赤沢大臣。

 5月中旬以降に閣僚級の協議を集中的に実施するため、3日から事務レベルでの協議を開始することを明らかにしました。

赤沢経済再生担当大臣
赤沢経済再生担当大臣

「勝山畜産」

古賀りなアナウンサー
「アメリカとの関税交渉で注目されるトウモロコシの輸入拡大。県内の畜産農家はどのように受け止めているのでしょうか」

 藁科川の上流、静岡市葵区の水見色にある「勝山畜産」。

 「するが牛」と呼ばれるブランド牛を、およそ200頭飼育しています。

Q:アメリカ産のトウモロコシを輸入拡大するという案が出ているが?

勝山畜産 勝山佳紀代表
「その言葉だけ聞くと、すごくありがたいですよね。えさが安くなってもらえればすごく助かります」

 こちらの牧場では、トウモロコシや大麦、大豆などを配合した「えさ」を与えています。

 1カ月に使用する「えさ」の量は、およそ60トン。

 主に飼料として使われるアメリカ産のトウモロコシの輸入が増えて、価格が下がることを期待していますが…。

勝山畜産
勝山畜産

勝山畜産 勝山佳紀代表

勝山畜産 勝山佳紀代表
「えさ代はどれぐらい入って来てくれるかの量に関係してくると思うんですけれども自分たちでも分かるぐらいの量が来れば下がってくれるのかな」

 こちらの牧場では、子牛を買い2年かけて丁寧に育て、安全でおいしい牛肉に仕上げています。
「えさ代」の高騰は、経営を圧迫する悩ましい問題です。

勝山畜産 勝山佳紀代表
「本当にえさ代が高くなってしまって、毎月支払わなければならないものは絶対あるので、その分牛を売って何とか生活しているというところ」

「えさ代」の高騰
「えさ代」の高騰

牛肉の価格が下がる可能性は低い

 燃料費や電気代も値上がりしている今、トウモロコシの輸入拡大で、飼料の価格が下がっても、消費者が購入する牛肉の価格が下がる可能性は低いと話します。

勝山畜産 勝山佳紀代表
「物価高の影響で何もかも上がっていますので、なかなかそこ(牛肉価格の低下)までは厳しいと思います」

Q:日米関税交渉への期待は?

「畜産農家、みんな大変なんですよね。ここ何年もすごく急激に減っています。なぜ減ったかというとやはり利益がないから。やる人が魅力を感じないと思うんですよね。また、トウモロコシ(の輸入拡大)も、現実になってくれれば少しでもいい方向に向いてくれればと思います」

勝山畜産 勝山佳紀代表
勝山畜産 勝山佳紀代表