JR在来線の線路のお医者さん「ドクター東海」に 初の潜入取材!

去年1月に引退したJR東海の「ドクターイエロー」。実は在来線にも“線路のお医者さん”がいることをご存知ですか?普段は乗ることの出来ない特別な列車に潜入取材しました。
船引とわ記者:
「鮮やかな黄色をした車両が今、磐田駅のホームに入ってきました」
4つのライトを点灯させながら登場。ただ、行き先のプレートはありません。
この黄色い車両の正体は…?
JR東海 静岡支社施設課 大平哲也さん:
「通称でドクター東海と呼ばれていまして、その名の通り、在来線の設備の安全を守るための車両として運行しています」
ドクターイエローならぬドクター東海。
実は“電車”ではないんです。
Q音すごいですけどなぜ?
「ドクター東海はディーゼルで走っている車両になります。」
つまり、ドクター東海は電気を使わなくても走ることができるんです。
ドクター東海の車内へ
船引とわ記者:
「早速中に乗り込んでいきましょう。座席など一切なくて。長い廊下が続いています。(モニターなど様々な機械がたくさん並んでいます)」
合わせて2編成ある“ドクター東海”。
今回はⅡ号機。
通称ドクターⅡ(ドクターツー)の車内に潜入です。
船引とわ記者:
「ドクター東海は車両によって検査項目が異なります。
こちらでは主に線路の状態を確認しているということです」
線路の状態を調べるドクター・ツー。
最高時速120キロで線路の歪みを検測することができるといいます。
JR東海 静岡支社施設課 大平哲也さん:
「正常に計測が出来ているかの確認ももちろんですし、その他計測されたデータで基準値が超えた際には今いらっしゃる方たちが速報でJR東海の方に連絡していただいています」
長いときには半日以上も乗車するという職員。
椅子などは動かないように工夫されており休憩室も完備されています。

パンタグラフを観測
船引とわ記者:
「続いて次の車両に来たんですが、すごい高い位置に窓と椅子があります。こちらの椅子と窓はなんのためのものなんですか?」
JR東海 静岡支社電力課 山田大輔さん:
「はい、こちらはドクター東海に搭載されている検測用のパンタグラフを観測する台になります」
在来線にとって欠かせない“電気”。
ドクター東海のチェックが、日々の安全を支えています。
船引とわ記者:
「実際に登ってみたいと思います。思ったより位置が高いです。架線が本当に目の前にある。窓も前面だけでなく、左右、後ろにもついています。」
JR東海 静岡支社電力課 山田大輔さん:
「ここでは電力の計測を行っておりまして、架線の状態を測定しております。具体的には架線の摩耗状態だったりとか電圧値の確認、あとは高さなどを測定しております」
架線は常にパンタグラフを通じて電車に電気を送り続けています。
摩耗によって重大なトラブルが発生しないよう守っているのがドクター東海なのです。
この日の稼働は岐阜から熱海を経由し、沼津まで。
8時間にわたってデータを集めました。

三島市の会議で
そして、22日。
ドクター東海が観測したデータが三島市内で行われた会議に使用されました。
JR東海 三島保線区 施設技術係 相澤恵悟さん:
「それぞれの環境に合わせた補修計画であったり、工事の計画を立てることにむずかしさを感じています」
安全のために欠かせないデータ収集。
この一役を担い、ドクター東海はこれからも静岡内を駆け抜けていきます。
