8月から25%…参院選候補者の“トランプ関税”へのスタンスは 静岡選挙区
アメリカのトランプ大統領は、8月1日から日本の関税を25%にする、としています。この関税について、参院選の候補者はどう考えているのでしょうか。

自民党の現職・牧野京夫さん
自民党 現職 牧野京夫候補:「世界百何十という国が今交渉中ですから、ぜひ日本の輸出産業に影響がない形で決着すると思っていますし、それをやっていくのが我々責任ある政府与党だと思っています」

自民党県連 井林辰憲代表(演説):「静岡県は自動車産業が盛んですし、トランプ関税が落ち着いて、どういう対策が必要なのかをきちっと考えるのが、静岡県のために私はなると思っています」

今の物価高は円安に起因するとして、日米の関税協議が終わり次第、「緩やかな円高に誘導すべき」というのが、牧野さんの持論です。
自民党 現職 牧野京夫候補(演説):「例え8月1日からスタートされても、それからでも交渉はできますから。やっていかなきゃいけない」
新たに打ち出された日本への25%の関税。“トランプ流のディール”である可能性もあると、指摘します。
自民党 現職 牧野京夫候補:「こういうものはすぐ結果が出るものじゃないですから、今言っている関税率というのがどこまでブラフかもしれないし、とにかく粘り強く交渉して、25を現実的な関税率まで下げるしかないと思っています」

国民民主党の現職・榛葉賀津也さん
国民民主党 現職 榛葉賀津也候補:「交渉をやっている最中なので、我々野党がどうこう言う問題ではないけれども、ちょっと詰めが甘い感じがするね。特に自動車産業をはじめ民間企業は死活問題なんでね、結果責任は当然伴うね」

党の幹事長として、全国行脚の選挙戦。6日目にして、初日以来となる2度目の静岡入りです。
国民民主党 現職 榛葉賀津也候補(演説):「1回こっきりの給付金じゃなくて、減税をやらなきゃ駄目なんですよ、皆さん、30年ぶりにチャンスが来たんだよ。トランプさんや習近平さんにこのチャンス潰されてたまるかって。ましてや政府与党に潰されてたまるかって。我々は現役世代を徹底的に強くする」

榛葉さんは「政府の交渉に任せるしかない」とした上で、緊迫化する東アジアの安全保障環境を踏まえた、総合的な交渉が必要だと指摘します。
国民民主党 現職 榛葉賀津也候補:「日本もこれだけ安全保障を含めて貢献しているんだ。アメリカも中国のことは相当意識していますから、そういったパッケージで交渉するべきだと私は常々申し上げてきたんですけれども、安全保障と完全に切り離したこういう問題、結果が全てなんでね、待ちたいと思います」

共産党の新人・鈴木千佳さん
共産党の新人・鈴木千佳さん今回の選挙で、「アメリカ言いなりの政治を変える」と声を上げています。
共産党 新人 鈴木千佳候補(演説):「暮らしをないがしろにし、軍事だけを異常に伸ばしていく、こうした政治でいいでしょうか。トランプ大統領の言う通り、(防衛費を)3.5%GDP比で増やすとなれば、さらに毎年毎年20兆円規模で軍事費を捻出することになってしまいます」

今回のトランプ関税は第一次トランプ政権下における日米貿易協定違反だとして、政府は毅然とした対応で抗議すべきと訴えています。
共産党 新人 鈴木千佳候補:「何かを差し出すという議論が先行していないのかどうかと。自動車だけを守るというふうな、そういうやり方で良かったのか。(政府は)働いている労働者や関連企業にしわ寄せが行くようなことをやめるべきだと思います。そういう働きかけを政府としてやらなければいけないし、そういう人たちへのフォローをしなければいけないと思います」

参政党の新人・松下友樹さん
参政党 新人 松下友樹候補(演説):「貿易でどこかの国が独り勝ちしちゃいけないわけです。だから日本は外国から、主にアメリカから約4兆円の医薬品を買っています。それはつまり4兆円の貿易黒字の穴埋めを薬でやってるんですよ。大して効きもしない薬を大量に買わされ、日本の医療ぶっ壊れてるじゃないですか。なんで外国から小麦とかトウモロコシとかミルクとか肉、フルーツもあんなにいっぱい日本人買わないといけないんですか。日本で作れるのになんで外国の顔色ばかりうかがってるんですか」

松下さんはアメリカ側の要求を一定程度飲まざるを得ないと見ていて、外国依存から、内需拡大へと舵を切るべきだと主張します。
参政党 新人 松下友樹候補:「関税を撤廃する条件は、アメリカの自動車買えとか、アメリカのこれを買えだと思うんですよ。間違いなく自動車産業に被害が出るのは事実だと思いますから、頭を下げてお願いしますではなくて、もう1回原点に立ち直っていかにして内需をもうちょっと拡大させてGDPを伸ばすか」

政治団体「NHK党」新人 福原志瑠美さん
政治団体「NHK党」の新人で、会社役員の福原志瑠美さんは「弱腰外交では成果が出ない」と政府の交渉姿勢を批判し、「日本もアメリカに対して25%の関税を課すべき」としています。

政治団体「無所属連合」新人 山口香苗さん
政治団体「無所属連合」の新人で、助産師の山口香苗さん。「アメリカとやり取りできる人が総理になるべき」と指摘し、「日本もトランプ大統領のような姿勢で自国の産業を守ってほしい」と話します。

無所属新人 村上猛さん
無所属の新人で、アパート経営の村上猛さん。「関税25%は受け入れられるものではない」として、「これまでは弱腰だった。決して日本が譲る必要はない」と主張しています。

参院選の投開票日は7月20日で、期日前投票も行われています。