溝深まる田久保市長VS議員…百条委も議論が核心から遠ざかる 今度は「悪の組織」発言で大学に謝罪要求 静岡・伊東市

百条委員会に出頭した静岡県伊東市の田久保市長が14日、東洋大学側への謝罪を議会に対して求めました。
百条委員会から一夜明け、”疑惑”の市長は…。
伊東市 田久保真紀市長:「百条委員会の中で大学側に対して大変不穏当な発言がありまして、侮辱に相当する発言ですので、そこを早急にまずやりたいと思っております」
伊東市議会 中島弘道議長:「さもこちらにもいろんな非があるようなことを大げさに世間にも言いたいような、そういう気があるんだなと」
田久保市長がこだわった「チラ見せ」
終始ちぐはぐな質疑となった、13日の学歴詐称疑惑に関する百条委員会。
百条委員会 杉本一彦委員:「卒業証書なるものが一体何なのかということを教えてください」
田久保真紀市長
「何だったのか…」(※つぶやき)(挙手して)
「何だったのかというご質問かと思うんですが、卒業証書とされているものであったと思っております。以上でございます」
そんな田久保市長が”こだわり”を見せたのが…。
百条委員会 重岡秀子委員:「チラ見せいう言葉がはやっていますけれども」

伊東市議会 中島弘道議長:「(ジェスチャーしながら)サッと出されて、サッと目をいったら、スッと引かれて。チラ見です」
田久保真紀市長:「報道であるようなチラ見せといった事実はありませんで、私の方としては、こうやって私の方で提示をいたしまして、約19.2秒見ていただいたと記憶しております」
19.2秒を再現
議長側が録音していた音声に基づいて、田久保市長が主張する「19.2秒」を再現すると、こんな感じになります。
田久保市長「はいはい、分かりました。ちょうど学歴証明用に持って来いと言われていたので、持って来てますね」
副議長「ありがとうございます」
★19.2秒のスタート
田久保市長「卒業アルバムと証書ですよ」
議長「ちょっと見せて」
田久保市長「いや、もう」 ※証書を閉じられる
議長「いやいや、ちょっと」
田久保市長「はいはい」 ※ちらっと見せる
議長「いいじゃん」 ★19.2秒の終わり
田久保市長「いや別に、普通に、家の中になかったので、相当探しましたから」

議長から「いいじゃん」というコメントがあったと主張する田久保市長ですが、肯定する意味での「いいじゃん」と、見せてくれても「いいじゃん」では、その意味合いは随分異なります。

伊東市民「バカバカしくて、恥ずかしいです」
「19.2秒」はチラ見せなのか、そうではないのか、伊東市民に聞きました。
30代男性
Q.19.2秒はチラ見せ?
A.「チラ見せですね。しっかりと見せていないので、相手方が物を確認できない限りは、見せたことにはならないと思う」
70代男性:「バカバカしくて、恥ずかしいです」
70代女性:「そういうやり取りはあまり意味がないと思いますよ。大学を卒業しているかどうかは自分が一番分かっているわけですよね、第三者じゃなくて。そこを認めて出直しされるべき」
核心に迫る、”卒業証書とされるもの”の提出を拒み続ける中、田久保市長から飛び出した、「チラ見せではなく、19.2秒提示した」という反論。学歴詐称疑惑をめぐる本筋でないことは、市民の目にも明らかです。

さらに核心から遠ざかる議論
そして、論点はますます核心から遠ざかっていきそうです。
田久保真紀市長:「東洋大学に対して一方的に事務にミスがあったと決めつける発言があった上で、悪の組織といったような看過できない発言がありました」

田久保市長が問題視しているのは、13日の百条委員会での一幕。市長を追及する中で飛び出した、この発言です。
百条委員会 四宮和彦委員:「もはや田久保市長個人の問題じゃないんですよ。伊東市民全員が巻き込まれているんですよ。東洋大学のせいで。だから、もはや東洋大学は悪の組織と言っていいぐらい」
田久保市長の主張通りであれば、「なぜ大学の責任を追及しないのか」という文脈でした。

田久保真紀市長:「しっかりと大学側にも謝罪してくださいというお願いですので、それはもうしっかり検討してください」
四宮市議は発言後、委員長に促され、発言を撤回しています。
伊東市議会 中島弘道議長:「議会としても真摯に対応させていただきたいと思っております。(田久保市長は)揚げ足を取って、さもこちらにもいろんな非があるようなことを大げさに世間にも言いたいような、そういう気があるんだなという気がします」