京懐石で磨いた目利きで組み立てる創作和食 御殿場市「きんかぶ」
「京懐石の修業経験を持つ店主が、なぜ御殿場で刺身を出すのか?」
御殿場市新橋。この疑問の答えを求めて、2025年12月9日に移転オープンしたばかりの創作料理店「きんかぶ」の暖簾をくぐってみた。店主は京懐石の店で腕を磨いた芹澤弘行さん。掲げるメニューは意外なほどシンプルで直球な「刺身定食」や「天丼」である。
ランチメニューのイチ押しは、ボリューム満点の「刺身定食」だ。その日仕入れた新鮮な海鮮を7〜8種類も盛り付けた定食は、海鮮好きにはたまらない。特にマグロは、東京・豊洲のマグロ問屋から直送される脂の乗ったメバチマグロを使用。新鮮なネタは京懐石で培った店主の厳しい「目利き」の証であり、客を惹きつける理由である。
肉料理からは、金華豚の「ヒレカツ重」。地元の精肉店から仕入れたヒレ肉をひと口大にカットし、粗めの生パン粉をまとわせ、大豆白絞油で揚げる。カツオベースの甘みあるたれと卵でとじた一杯は、濃厚なうまみとやわらかさが同時に楽しめる。
「牛タンシチュー」は移転前からの人気メニューだ。赤ワインと香草でじっくり煮込み、丸ごとの牛タンから取ったスープが味の土台。ひと口大に切られた牛タンは驚くほどやわらかく、コク深い余韻を残す。添えられたパンにルーを絡めるのも、この皿の楽しみ方だ。
これから力を入れていきたいというのが「うな丼」。1度蒸してから焼きに入れ、皮目をパリッと仕上げるのが特徴。京懐石時代の“割”をベースに、芹澤さん自身がアレンジしたたれを重ねることで、ふっくらとした身と香ばしい皮、両方の食感を味わえる。
海鮮を軸に、肉料理まで幅広く。料理と空間をゆったり楽しんでほしいという思いが、皿の一つひとつから伝わってくる。御殿場で、腰を据えて味わいたい一軒だ。
きんかぶ
御殿場市新橋1998-1
電話番号:0550-98-0482
定休日:日曜日
営業時間:11:30-14:00(L.O.13:30)※ランチは火~土曜日
17:30-23:00(フードL.O.22:00・ドリンクL.O.22:30)
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