老舗が仕立てる日本料理の〝温故知新〟 富士市「魚民」
暖簾をくぐると、店内には静かな時間が流れている。「日本料理 すし 魚民」。富士市今泉で1882年に創業し、実に144年。祝い事も、節目の日も、地域の記憶とともに歩んできた老舗だ。
そんな魚民で、いま支持を集めているのが平日ランチ限定の「雅粋庵いろどり御膳」。代々受け継がれてきた日本料理の技を、少しずつ、一膳に凝縮する。老舗の歩みを知るほどに、この御膳が「現在形の答え」であることが伝わってくる。
御膳には9品から10品ほどの料理が並ぶ。コースで出している内容を少しずつ味わえる構成で、食べ進めるほどに意味が重なっていく。中でも象徴的なのが、ブリの照り焼き。出世魚を使い、代々受け継ぐ製法が生み出す逸品だ。
寿司を中心に楽しみたい人には、にぎり寿司御膳(松)。厳選したネタ8貫を揃え、本マグロの赤身はうまみの濃さが際立つ。寿を司ると書く寿司に、老舗らしい解釈がにじむ。
丼ものでは、旬彩ちらしが華やかだ。マグロやイカ、タコ、コノシロ、エビに加え、甘く炊いたシイタケやタケノコを忍ばせる。ふたを開けた瞬間の彩りまで計算された一杯である。
4代目の森田克彦さんは言う。「老舗はいつも新しく」-。その言葉通り、受け継いだ型に安住せず、温故知新の料理で勝負を続けている。
日本料理 すし 魚民
富士市今泉1-8-38
電話番号:0545-52-4105
定休日: 月曜日
営業時間:11:30-14:00
17:00-21:00
Pあり
