粘り、香り、火入れ。自然薯をどう食べるか 浜松市「とろろば」
焼く、揚げる、炭であぶる――自然薯をここまで多面的に使う店はそう多くない。浜松市中央区元城町にある「自然薯とろばた焼き とろろば」は、自然薯を軸に据えた専門店だ。山梨県上野原市の農園から仕入れる自然薯は、土の香りを残し、味の輪郭がはっきりしている。
看板の「とろろば御膳」は、その個性をまっすぐに出す一品。自然薯はわずかに昆布だしを加えてすりおろすだけ。とろろ汁のように流すのではなく、持ち上がるほどの粘りを保ったまま提供する。麦飯の上にのせると、まるでつきたての餅のような弾力。だしじょうゆを少し落とすと、甘みが引き立ち、ごはんが進む。
同じすりおろしでも、形を変えたのが磯辺揚げ。のりで巻いて揚げることで、外側はカリッと、中はふわっとした食感に変わる。油を通すことで香ばしさが加わり、先ほどのとろろとは別の一面を見せる。
さらに火入れを進めたのが「ねぎだくとろろステーキ」。自然薯に出汁と卵を合わせ、オーブンで焼き上げる。スプーンですくえば、やわらかくまとまり、濃厚なお好み焼きのような味わい。刻みネギが入ることで、単調にならず軽さも出る。
もう一段階、火を強めたのが自然薯の土佐焼き。蒸した自然薯を炭火で焼き、土佐じょうゆを絡める。表面には香ばしさが付き、中はホクホクとした食感に変わる。素材の持つ粘りとは別の、芋のような側面が引き出される。
すりおろす、揚げる、焼く。同じ素材でも扱いでここまで変わる。その違いを一つずつ辿っていくと、自然薯という食材の幅が見えてくる。
自然薯とろばた焼き とろろば
浜松市中央区元城町223-1 アルスパーキングビルB1階
電話番号:050-8888-0788
定休日: なし
営業時間:11:30-14:00 L.O.13:30
18:00-23:00 L.O.22:30
※土日祝は17:00-
※金土は-24:00 L.O.23:30
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