栗の甘みと鹿肉の旨み、幅広パスタで頬張る秋 静岡市「トリアンゴロ」

 幅広の麺に、鹿肉のミートソースとふかした栗を絡める。野趣のある肉に、ほっくりとした甘み。秋らしい組み合わせを受け止めるのは、卵を使って手で打ったイタリアの郷土パスタだ。静岡市葵区新通の「Triangolo(トリアンゴロ)」は、北イタリアと南イタリアの料理を学んだ店主・髙田直紀さんが営むレストラン。開店から9年を数え、2025年に店をリニューアルした。
 旬の一品は、栗と鹿肉を合わせた「パッパルデッレ」。イタリア産のセモリナ粉と卵を練り、きしめんのように幅広く切る。コシはあるものの、噛むとプツプツと切れる独特の歯触りだ。ソースには鹿肉を使い、トマトを控えることで後味をすっきりさせる。肉の旨みを引き出したところへ、蒸した栗の穏やかな甘さを加える。太い麺をかみしめればソースの存在感にも負けず、一口に十分な量感が生まれる。

ジビエのパスタ
ジビエのパスタ

 シチリア島西部のトラーパニに伝わる「ブジアーテ」は、姿からして個性的だ。セモリナ粉に水、オリーブ油、塩を加えて生地を作り、1本ずつ細長く伸ばして棒へ巻き付ける。らせん状の溝へ絡むのは、トマトとナッツを使った現地由来のソース。自家菜園で採れたトマトを完熟させ、発酵トマトで酸味を補う。アーモンドのコクが加わることで、果実味のあるソースに厚みが出る。もちもちした麺をたぐるたび、ねじれの間から味が運ばれてくる。

らせん状の麺が特徴なブジアーテ
らせん状の麺が特徴なブジアーテ

 店で使う野菜は、およそ3~4年前に始めた静岡市内の自家菜園で育てる。種類は約30。季節ごとの収穫を厨房へ持ち込み、パスタや前菜のソースに変えている。既製の組み合わせへ野菜を当てはめるのではなく、畑で採れたものから料理を考えられるのが強みだ。

自ら栽培しているからこそ素材の良さが引き出されている
自ら栽培しているからこそ素材の良さが引き出されている

 平打ち麺の「カルボナーラ」は、エミリア=ロマーニャ州に伝わるパスタが土台。セモリナ粉と藤枝産小麦をブレンドし、水を加えず卵の水分だけで練り上げる。卵とチーズをたっぷり用いたクリームソースに、炒めた生ハムの塩気を重ねる。芳醇なチーズの香りと濃厚なソースに、手打ち麺の確かな歯触りが残る、満足感の高い一品だ。

カルボナーラは濃厚な味わい
カルボナーラは濃厚な味わい

 パスタ生地の配合は、天気によって変わるという。粉が水分を吸う具合を見極め、料理に合う形へ一本ずつ仕立てていく。パッパルデッレの幅、ブジアーテのねじれ…それぞれ選んだソースをおいしく運ぶ役目がある。名前も姿も異なる手打ち麺を味わえば、イタリア料理の広さを新通の一軒で実感できる。

栗の甘みと鹿肉の旨み、幅広パスタで頬張る秋 静岡市「トリアンゴロ」

Triangolo(トリアンゴロ)
住所:静岡市葵区新通1-9-10
電話番号:054-205-2651
定休日:月・火曜日 / ※祝日は営業
営業時間:12:00-15:00(予約制) / 18:00-22:00 / ※席料(ひとり)550円かかります / アラカルト対応は日曜のみ 
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